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醸造調味料とは何か 発酵調味料・みりん風調味料・料理酒との違いと表示の読み方

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醸造調味料とは何か 発酵調味料・みりん風調味料・料理酒との違いと表示の読み方

1醸造調味料とは何か:先に結論

「醸造調味料」は、食品表示基準や酒税法の条文には出てこない語で、公的な定義は今回確認した範囲では見当たりませんでした。そのため、この語だけでアルコール分や食塩の有無までは決まりません。

一方、本みりん・みりん風調味料・発酵調味料の違いは、国税庁や全国味淋協会の資料で確認できます。本みりんは酒税法上の酒類で、みりん風調味料と発酵調味料は酒類に当たらない調味料とされています。

「体に悪いか」については、今回確認した公的な資料に、「醸造調味料」の健康影響を評価したものは見つかりませんでした。商品ごとの中身は、名称・原材料名・アルコール分・食塩の表示を合わせて読むのが手がかりになります。

2原材料表示の「醸造調味料」はどう書かれるか

食品表示基準(内閣府令)では、原材料名は、使用した原材料を重量の割合の高いものから順に、その最も一般的な名称で書くと定められています。複合原材料(二種類以上の原材料からなるもの)は、名称の次に括弧を付けて、その原材料を示します。

この基準の本文と酒税法の本文を確認したところ、「醸造調味料」「発酵調味料」「みりん風調味料」「料理酒」の語はいずれも出てきませんでした。消費者庁の「食品表示基準Q&A」(令和5年3月改正版)と、国税庁の「食品表示法における酒類の表示のQ&A」にも、この語の説明は見当たりませんでした。

3公的機関・業界団体の資料で確認できること

国税庁・酒税法:酒類とは、みりんとは

国税庁のQ&Aでは、酒税法上の酒類は「アルコール分1度以上の飲料」と説明されています。酒税法第3条では、みりんはアルコール分15度未満で、エキス分が40度以上などの要件を満たすもの、原料は米と米こうじに焼酎またはアルコールを加えてこしたもの、などと定められています。東京国税局のページには、みりんは酵母によるアルコール発酵の工程がない、との説明があります。

みりん風調味料・発酵調味料は酒類に当たらない

国税庁のサイトに掲載された資料(「本みりんの歴史」)では、みりん風調味料は、アルコール分が1%未満で、水あめ、米こうじ、うま味調味料などをブレンドして作られると説明されています。みりんタイプの発酵調味料は、食塩を加えて飲用できない状態にしたもので、本みりんに1.5%以上の塩を加えたような成分のものが多く、どちらも酒税法上の酒類には当たらない、としています。同資料は書籍を引用しています。

酒類総合研究所の資料(平成26年)にも、みりん風調味料と発酵調味料を販売するときには酒類販売業免許は必要ない、という記載があります。国税庁の消費税の軽減税率のQ&Aでは、アルコール分が1度未満のみりん風調味料は「飲食料品」に当たるとされ、みりんや料理酒は、酒類に該当するものであれば軽減税率の対象外とされています。

全国味淋協会と農林水産省

全国味淋協会は、本みりんに類似した調味料として「みりん風調味料」と「発酵調味料(みりんタイプ、料理酒)」を挙げ、製法や成分が異なるとしています。表の数値は同協会が示す目安で、製品ごとに異なります。

種類 酒類か アルコール分 食塩(塩分) 原材料の例
本みりん 酒類(酒税法) 約14% 0% もち米、米こうじ、醸造アルコール、糖類など
みりん風調味料 酒類に当たらない(1度未満) 1%未満 0〜0.2%未満 糖類、米、米こうじ、酸味料、調味料など
発酵調味料(みりんタイプ) 酒類に当たらない 約10% 約1.5% 糖類、米、米こうじ、アルコール、食塩など
発酵調味料(料理酒) 商品ごとに判断(国税庁Q&A) 約14% 約2% 米、米こうじ、糖類、アルコール、食塩など

農林水産省の伝統食品の解説ページには、味噌、醤油、酢、みりんなど穀物由来の「発酵調味料」という使い方が見られます。これは総称としての使い方で、商品名の「発酵調味料」とは意味が異なります。総称は当社の既存記事「発酵調味料とは何か|醤油・味噌・みりんの種類と表示の読み方」で解説しています。このページにも「醸造調味料」の語はありません。

酵母エキスやたんぱく加水分解物との関係

食品表示基準の別表第四(みそなどの定義)には、「風味原料」として、たんぱく加水分解物や酵母エキスが食品として挙げられています。ただし、「醸造調味料」との関係を示す公的な記載は確認できていません。

4醸造調味料を選ぶときの見方

  • 名称の欄を見る。「本みりん」「みりん風調味料」「発酵調味料」など、商品の名称で分類の手がかりが得られます。
  • アルコール分と食塩の表示を見る。発酵調味料は食塩を含むため、料理では塩味の調整が必要になると全国味淋協会が説明しています。
  • 原材料名の並びを見る。重量の多い順に書かれるため、糖類が先か米や米こうじが先かで、組成の違いを推測できます。
  • 「醸造調味料」の語だけで判断しない。気になる場合は、製造者の問い合わせ先で、何を指しているか、食塩やアルコールの量を確認する方法があります。

本みりんとみりん風調味料の違いは本みりんとみりん風調味料の違い、原材料に出てくる酒精(アルコール)は味噌・醤油の「酒精」とは何かで整理する予定です。原材料表示の読み方は、「豆腐の「消泡剤」って何?原材料表示からわかる、本当の豆腐の選び方」や「保存料とは何か|添加物に頼らない、昔ながらの保存の知恵」でも扱っています。

5地球人倶楽部の扱い

地球人倶楽部は、1988年創業の会員制の食材宅配です。調理した食品は原材料表示を確認し、合成着色料・合成保存料・うま味調味料(いわゆる化学調味料)を使用したものは取り扱っていません。調味料を含め、常時2,000品目以上を取り扱っています。

よくある質問

Q. 醸造調味料は体に悪いのですか。

今回確認した公的な資料に、この語を取り上げて健康への影響を評価したものは見つかりませんでした。中身は商品ごとに異なるため、表示で確認し、気になる点は製造者に尋ねる方法があります。

Q. 醸造調味料は何から作られていますか。

語の定義がないため、一概には言えません。全国味淋協会の資料では、類似調味料の原材料として糖類、米、米こうじ、アルコール、食塩などが例示されています。商品の原材料名で確認してください。

Q. みりん風調味料や発酵調味料は、お酒(酒類)ですか。

国税庁のサイトの資料では、みりん風調味料(アルコール分1%未満)と、食塩を加えたみりんタイプの発酵調味料は、酒税法上の酒類に当たらないとされています。本みりんは酒類です。

Q. 料理酒と発酵調味料は同じですか。

全国味淋協会は、料理酒を発酵調味料の一つとして整理し、アルコール分約14%、塩分約2%としています。国税庁のQ&Aでは、料理酒は酒類に該当するものかどうかで扱いが分かれるとされています。

出典

  • 内閣府「食品表示基準」(平成27年内閣府令第10号)、e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/427M60000002010
  • 酒税法(昭和28年法律第6号)、e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000006
  • 国税庁「お酒に関するQ&A【総則】Q1 酒類の定義を教えてください。」 https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/01/01.htm
  • 国税庁(東京国税局)「その他のお酒に関するもの」 https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/sake/abc/abc-other.htm
  • 国税庁「本みりんの歴史」(国税庁サイト掲載PDF) https://www.nta.go.jp/taxes/sake/koujikin/pdf/0021012-102_05.pdf
  • 国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」(平成28年4月・平成30年1月改訂)問13 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/03.pdf
  • 国税庁「食品表示法における酒類の表示のQ&A」 https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/shokuhin/sakeqa/3007.pdf
  • 酒類総合研究所「酒類販売管理研修通信 サポートニュース43」(平成26年9月) https://www.nrib.go.jp/sake/distributor/pdf/ssn43.pdf
  • 消費者庁「食品表示基準Q&A」(最終改正 令和5年3月31日) https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_230331_01.pdf
  • 農林水産省「醤油、味噌、その他調味料」(伝統食品の分類) https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/bunrui/shouyu-miso.html
  • 全国味淋協会「本みりんの知識」 https://www.honmirin.org/knowledge/

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