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電磁波は本当に体に悪いのか 家電から出る量と健康影響を、公的機関などの資料で整理する

COLUMN / くらしのはなし

電磁波は、本当に体に悪いのか
公的機関などの資料で、いちど整理する

不安を煽らず、切り捨てもせず。WHO・IARC・総務省・環境省などが公表している数値と文言を並べました。

「電磁波は体に悪い」という話を、一度は耳にしたことがあると思います。一方で「気にしすぎだ」という声もあります。どちらが本当なのか、調べようとすると、不安を煽るページと「まったく問題ない」と言い切るページに分かれてしまい、かえって分からなくなる。この記事は、そのあいだを埋めるために書きました。世界保健機関(WHO)、国際がん研究機関(IARC)、総務省、経済産業省、環境省、農林水産省——公的機関や、その資料を取りまとめている電磁界情報センターなどが公表している数字と文言を使って、いま分かっていることと、まだ分かっていないことを、そのまま並べます。

結論から申し上げます。国際的な指針値を下回る強さの電磁波について、健康への悪影響は確立していません。これが、WHOなどが示している見解です。同時に、「だから絶対に安全だ」と証明されたわけでもありません。IARCは超低周波磁界と高周波電磁界を「発がん性がある可能性がある」というグループに分類したままです。

この二つは矛盾していません。矛盾して見えるのは、言葉の意味を取り違えているからです。この記事を読み終えるころには、その理由がはっきりしているはずです。

1そもそも「電磁波」とは何か

電磁波とは、電気と磁気の振動が波となって空間を伝わっていく現象のことです。電波も、赤外線も、目に見える光も、紫外線も、レントゲン撮影に使うX線も、すべて電磁波の仲間です。違いは周波数——1秒間に何回振動するか——だけです。

この「だけ」が決定的な違いを生みます。

非電離放射線と、電離放射線

周波数が高くなるほど、電磁波が持つエネルギーは大きくなります。そして紫外線のあたりを境に、原子から電子をはじき出すだけのエネルギーを持つようになります。これを電離作用といい、電離作用を持つ電磁波を「電離放射線」と呼びます。X線やγ線がこれにあたります。細胞のDNAを直接傷つけうるため、医療現場では被曝管理が厳格に行われています。

一方、それより周波数の低い電磁波——送電線、家電製品、IH調理器、携帯電話、Wi-Fi、電子レンジ、テレビ放送——は「非電離放射線」です。原子から電子をはじき出す力はありません。

日常会話で「電磁波が心配だ」と言うとき、その電磁波はほぼ例外なく、この非電離放射線のほうを指しています。レントゲンと携帯電話を同じ土俵で語ることはできない——まずここが出発点です。

図1 周波数で分けた電磁波の全体像非電離放射線(原子から電子をはじき出さない)電離放射線静電磁界0Hz超低周波〜300Hz中間周波300Hz〜10MHz高周波10MHz〜300GHz紫外線X線・γ線送電線家電製品IH調理器携帯電話・Wi-Fi電子レンジ・テレビ放送レントゲン撮影周波数が低い(波長が長い)周波数が高い(波長が短い)ふだん「電磁波」と呼ばれているのは、ほとんどが左側の非電離放射線です。放射線(X線など)とは、性質もエネルギーの大きさも異なります。

周波数区分は環境省「身のまわりの電磁界について」(令和5年3月)にもとづく。

周波数による四つの区分

環境省は、私たちの身のまわりの電磁界を次の四つに分けています。

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区分 周波数 身近な発生源
静電磁界 0Hz 地磁気、磁石、直流の設備
超低周波電磁界 0〜300Hz 送電線、配電線、ほとんどの家電製品
中間周波電磁界 300Hz〜10MHz IH調理器、電子タグ、電子商品監視装置
高周波電磁界 10MHz〜300GHz 携帯電話、Wi-Fi、電子レンジ、テレビ・ラジオ放送

出典:環境省「身のまわりの電磁界について」(令和5年3月)

家庭のコンセントに来ている電気は東日本で50Hz、西日本で60Hz。つまり家電製品のほとんどは「超低周波電磁界」の領域にあります。一方、携帯電話やWi-Fiは数百MHz〜数GHzですから「高周波電磁界」。IH調理器はその中間にあたります。

同じ「電磁波」という言葉でくくられていても、性質も、議論の中身も、規制の枠組みも、それぞれ違います。

2電界と磁界は、まったく別のもの

ここが、多くの解説で飛ばされてしまう、しかし実務的にはいちばん重要な点です。

電磁界は「電界」と「磁界」という二つの成分からできています。この二つは、発生する条件も、さえぎれるかどうかも、違います。

電界は電圧から、磁界は電流から

電力会社各社の解説によれば、電界は「電圧がかかった物の周囲に発生」し、磁界は「電流が流れる物の周囲に発生」します。

具体的に言い換えます。電気ストーブのプラグをコンセントに挿しただけで、スイッチを入れていなくても、コードの周りには電界が生じています。電圧はかかっているからです。そしてスイッチを入れて電流が流れ始めると、そこに磁界が加わります。

さえぎれるのは電界、さえぎりにくいのが磁界

もうひとつ、決定的な違いがあります。

電界は、壁や樹木、建物の材料などでさえぎられやすい性質を持ちます。だから屋外の送電線から出る電界は、家の中まではあまり入ってきません。

ところが磁界は、ふつうの建材では、ほとんどさえぎることができません。壁も木も、磁界はすり抜けていきます。磁界を減らすには、特殊な材料で覆うか、電流の流れ方そのものを工夫するか、あるいは距離をとるしかありません。

後ほど「対策」の話をしますが、この性質の違いを知っているかどうかで、選ぶべき手段はまったく変わります。「電磁波をカット」と書かれた製品が、電界を下げるものなのか、磁界を下げるものなのかを確かめる必要があるのは、このためです。

単位について。電界の強さは V/m(ボルト毎メートル)、磁界の強さは μT(マイクロテスラ)で表します。日本の家電製品の表示では mG(ミリガウス)が使われることもあります。換算は 1μT = 10mG。たとえば「0.3mG以下」という表示は「0.03μT以下」と同じ意味です。

図2 電界と磁界は、別のもの電界(でんかい)磁界(じかい)いつ出るかコンセントに挿すだけで発生(=電圧がかかっていれば出る)いつ出るかスイッチを入れると発生(=電流が流れると出る)さえぎれるか壁・樹木・建材でさえぎられやすいさえぎれるかふつうの材料では、さえぎりにくい単位:V/m(ボルト毎メートル)単位:μT(マイクロテスラ) 1μT=10mG

電界・磁界の発生条件と単位換算は、経済産業省および電力各社の解説にもとづく。

3身のまわりの家電は、どれくらい出ているのか

数字を見てみます。電磁界情報センターが、家庭でよく使われる機器から出る磁界の強さを測定した結果が、環境省の資料に国際的な指針値に対する割合として掲載されています。

→ 表は横にスクロールできます

機器 測定距離 指針値に対する最大値
電動歯ブラシ 0cm 19%
IH炊飯器 30cm 16%
IH調理器 30cm 10%
電気カーペット 0cm 6%
電気毛布 0cm 2%
温水洗浄便座 0cm 2%
ヘアドライヤー 10cm 1%

出典:環境省「身のまわりの電磁界について」(令和5年3月)に掲載された、電磁界情報センターの測定結果(平成30年)。いずれも各機器の最大値。

図3 家電から出る磁界は、指針値の何%かいちばん高い電動歯ブラシでも、国際的な指針値の約5分の1にとどまります電動歯ブラシIH炊飯器IH調理器電気カーペット電気毛布温水洗浄便座ヘアドライヤー0cm30cm30cm0cm0cm0cm10cm19%16%10%6%2%2%1%100%=国際的な指針値(ICNIRP)0%

出典:環境省「身のまわりの電磁界について」(令和5年3月)に掲載された、電磁界情報センターの測定結果(平成30年)。数値は各機器の最大値で、測定距離は機器ごとに異なる。

いちばん高い電動歯ブラシでも、指針値の19%。それも機器にぴたりと接した0cmの位置での値です。ヘアドライヤーは10cm離れた位置で1%。

この数字をどう受け取るかは、読む方によって違ってよいと思います。「思ったより低い」と感じる方もいれば、「毎日使うものだから積み重なるのでは」と考える方もいるでしょう。ただ、判断の材料としては、この実測値が出発点になります。

なお、この「指針値に対する割合」は、指針値と比べたものです。ICNIRPガイドラインの指針値は、刺激作用や熱作用により健康影響を生じることがわかっているばく露レベルに、安全上の余裕を盛り込んで定められています(環境省)。長期のばく露についての研究は、次の章で触れるように、指針値とは別に続けられています。

距離をとると、急速に弱くなる

表の「測定距離」の欄に注目してください。同じ機器でも、0cmと30cmではまったく違う数字になります。

電界も磁界も、発生源から離れると急速に小さくなる性質を持っています。これは電磁界の最も基本的な性質のひとつで、裏を返せば——費用がかからず、すぐにできる対策は「離れること」だということです。

IH調理器の前に張りついて調理する必要はありませんし、電子レンジの扉を覗き込んで加熱の様子を見つめる必要もありません。数十センチ下がるだけで、体が受ける量は大きく変わります。

4「発がん性がある可能性」という言葉の、本当の意味

不安の源になっているのは、おそらくこの一点です。

国際がん研究機関(IARC)は、超低周波磁界を2001年に、高周波電磁界を2011年に、それぞれ「グループ2B(発がん性がある可能性がある)」に分類しました。この事実は、電磁波の危険性を訴える多くのページで引用されています。

事実としては、そのとおりです。問題は、この分類が何を意味しているかです。

IARCの分類は「証拠の強さ」であって、「危険の大きさ」ではない

農林水産省は、IARCの分類についてこう説明しています。

IARCによる発がん性の分類は、人に対する発がん性があるかどうかの「証拠の強さ」を示すものです。物質の発がん性の強さや暴露量に基づくリスクの大きさを示すものではありません。

出典:農林水産省「国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について」

つまりグループ2Bは、「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」という区分で、ヒトでの証拠が限定的な場合などに適用されます。危険度のランキングではありません。

電磁界が2Bとされた根拠

環境省の資料によると、IARCは超低周波磁界について、複数の研究を統合して分析(プール分析)した結果、生活環境での0.3〜0.4μTを超えるレベルのばく露と、小児白血病のリスク増加との間に、一貫した関連が見られることから、ヒトに関する限定的な証拠ありとしました。一方で、実験動物に関する証拠は不十分であるとして、グループ2Bに分類しています。

これに対してWHOは、「全体として、小児白血病に関連する証拠は因果関係と見なせるほど強いものではない」との見解を示しています。つまり、「関連は見られるが、原因だと言えるほどの証拠ではない」という段階です。

ここで注意したいのは、この0.3〜0.4μTという数字が、前の章の指針値(200μT)よりもずっと低い値だという点です。指針値は、刺激作用などによる影響を防ぐために定められたものです。長期のばく露をめぐる研究は、指針値とは別に、いまも続いています。

同じグループ2Bには、何が入っているか

これを実感していただくために、同じグループ2Bに分類されているものを挙げます。農林水産省が例として示しているのは——アスパルテーム、漬けもの、鉛、わらびなどです。

身近な食べものも、鉛のような物質も、電磁界と同じグループに入っています。

ちなみに、ひとつ上のグループ2A(おそらく発がん性がある)にはレッドミート(赤身肉)が、最上位のグループ1(発がん性がある)にはアルコール飲料と加工肉が入っています。

この分類は、「証拠の強さ」を示すもので、危険の大きさの順位ではありません。同じグループ2Bの中でも、物質や暴露の程度によって、リスクは大きく異なります(農林水産省)。「2B=危険」とも「2B=問題ない」とも、この分類だけでは判断できません。

図4 「グループ2B」とは、どのくらいの位置づけかグループ1 発がん性があるグループ2A おそらく発がん性があるグループ2B 発がん性がある可能性があるグループ3 分類できないアルコール飲料、加工肉レッドミート、アクリルアミドアスパルテーム、漬けもの、鉛、わらび← 超低周波磁界・高周波電磁界はここコーヒー、マテ茶この分類は「証拠の強さ」を示すもので、危険の大きさの順位ではありません。

出典:農林水産省「国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について」/環境省「身のまわりの電磁界について」。

WHOは、どう言っているか

では、世界保健機関(WHO)の見解はどうか。環境省の資料に引用されている文言を、そのまま挙げます。

超低周波磁界と小児白血病について:

全体として、小児白血病に関連する証拠は因果関係と見なせるほど強いものではない

携帯電話基地局について:

基地局からの無線周波信号によって健康に有害な短期的又は長期的影響が起きることは証明されていません

これまでの研究のレビューについて:

これまでに実施されたすべてのレビューは、0-300GHzの周波数を網羅するICNIRPガイドラインで推奨されている参考レベル(指針値)よりも低いばく露は健康への悪影響を何ら生じない、ということを示しています。但し、より良い健康リスク評価の前に埋める必要がある知識のギャップが依然としてあります。

出典:環境省「身のまわりの電磁界について」(令和5年3月)が示すWHOの見解

注意深く読んでいただきたいのは、「証拠は強くない」「証明されていない」という言い方です。これは「ない」と断定しているのではなく、「あるとする根拠が十分に見つかっていない」という科学の作法にのっとった表現です。

IARCが2Bのままであることと、WHOが「悪影響は証明されていない」と言うことは、だから両立します。両方とも「現時点で、因果関係を示す十分な証拠はない」という同じ状態を、別の角度から述べているにすぎません。

5日本の規制は、どうなっているのか

日本には、電磁界に関する二つの規制の枠組みがあります。周波数帯によって、所管する省庁も、根拠となる法律も違います。

高周波:総務省の「電波防護指針」

携帯電話、Wi-Fi、放送電波などの高周波電磁界は、総務省が所管しています。1990年に電気通信技術審議会が答申した「電波防護指針」が基準で、10kHzから300GHzまでの電波を対象としています。

一般の人が日常的に立ち入る場所(一般環境)の指針値は次のとおりです。

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周波数帯 電界強度 磁界強度 電力密度
30MHz〜300MHz 27.5 V/m 0.0728 A/m 0.2 mW/cm²
1.5GHz〜300GHz 61.4 V/m 0.163 A/m 1 mW/cm²

出典:電磁界情報センター「日本の電波防護指針」。同センターによれば、これらの指針値はICNIRPが2020年に示した国際的なガイドラインと同じ値。

携帯電話端末については、これとは別に局所SAR(比吸収率)という基準があります。人体が電波のエネルギーをどれだけ吸収するかを示す指標で、日本の規制値は任意の組織10グラムあたり2W/kg(手足では4W/kg)。市販されている携帯電話は、この基準を満たしたものだけです。

低周波:経済産業省の「200μT」

送電線や配電設備などの電力設備については、経済産業省が所管します。2011年、「電気設備に関する技術基準を定める省令」が改正され、第27条・第27条の2に磁界の規制が導入されました。

規制値は50/60Hzで200μT以下。これはICNIRPが2010年に改定した低周波磁界の参考レベルと同じ値で、そのICNIRPガイドライン自体がWHOのリスク評価を踏まえて設定されたものです。

環境省の資料に掲載された測定例(経済産業省委託の調査)では、電力設備の周辺で実測された磁界の最大値は、架空配電線の下で0.40μT、架空送電線の下で1.57μT、地中送電線の上で19.60μTなどでした。いずれも規制値200μTの1割以下です。

電子レンジには、専用の基準がある

電子レンジは2.45GHz前後のマイクロ波を使う機器です。そのため電波法と電気用品安全法にもとづく漏えい電波の基準が別途定められています。

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条件 許容値(本体外面から5cmの位置)
ドアを閉めたとき 1 mW/cm²
発振停止装置が働く直前までドアを開けて固定したとき 5 mW/cm²

出典:電磁界情報センター「電子レンジから発生する電磁界」

基準は「5cm離れた位置で」と定められています。裏を返せば、使用中に扉へ顔を近づける必要はまったくないということです。

6それでも気になる方が、できること

ここまでの内容をまとめると、こうなります。

  • 指針値を下回る電磁波について、健康への悪影響は確立していない
  • 家庭の家電から出る磁界は、指針値の1〜19%程度
  • ただし「絶対に安全」と証明されたわけでもなく、研究は続いている

この状況で「気になるから減らしておきたい」と考えることは、非科学的な態度ではありません。確立していないことについて、自分の判断で余裕を持たせておく——予防的に構えるという考え方は、食の分野でも同じです。

そのうえで、電磁界を受ける量を減らす方法を挙げます。

① 距離をとる(費用がかからない)

くり返しになりますが、電界も磁界も距離が離れると急速に弱まります。これが、費用がかからず、すぐにできる方法です。

具体的には——電子レンジの加熱中は扉の前を離れる。IH調理器を使うときは体を密着させない。寝るときに頭のすぐ横で携帯電話を充電しない。この程度のことで、受ける量はかなり変わります。

② 使う時間を見直す

長時間、体に密着して使うものほど、受ける量は多くなります。電気カーペットや電気毛布のように体に密着した状態で何時間も使うものは、距離をとりにくいため、使い方を見直すという選択肢があります。

電気毛布であれば、寝る前に温めておいて就寝時は切る、という使い方もできます。

③ 発生そのものを抑えた製品を選ぶ

距離も時間も調整しにくいもの——たとえば寝具や床暖房のように、長時間、体に接して使うもの——については、機器の側で磁界の発生を抑えた製品という選択肢があります。

ホットカーペットや電気毛布には、電流の流し方を工夫して磁界の発生を抑えた製品があります。たとえば、ゼンケン社のホットカーペット(Sシリーズ)について、メーカーは、第三者機関である日本品質保証機構(JQA)の試験で磁界測定値0.3mG以下という結果を公表しており、比較対象を一般のホットカーペットとして「電磁波(磁界)99%カット」と表示しています。測定距離は、メーカーの公式ページには記載がありません。地球人倶楽部のオンラインストアでも、ゼンケン社の製品を取り扱っています。

製品を選ぶときの確認点。「電磁波カット」という表示を見たら、①電界か磁界か、どちらを下げるものか ②どこまで下がるのか(数値) ③何と比べた数値か、どの距離で測ったか ④誰が測ったのか(第三者機関か自社か)——この四点を確かめてください。前述のとおり電界と磁界は別物ですし、数値・測定条件・測定主体が示されていない製品は、比べようがありません。

なお、ゼンケン社は製品ページに「電磁波の人体に与える影響については、現時点では公的機関において医学的に証明されていません」と記載しています。メーカーが表示しているのは、磁界の発生を抑えた方式と、その測定結果であって、健康上の効果ではありません。

確かめようのない説明について

一方で、「身につけるだけで電磁波を無害化する」「波動を変える」といった説明の製品も流通しています。こうした説明については、数値や第三者機関の試験で確かめられるかを確認してください。確かめる方法が示されていないものは、慎重に見たほうがよいと考えます。

7地球人倶楽部の考え方

私たちは1988年から、有機野菜や無添加の食品をお届けしてきました。一貫して大事にしてきたのは「決めるのはお客様であって、私たちではない」という姿勢です。

不安を大きく見せて商品を売ることは、いちばんやってはいけないことだと考えています。同時に、「気にしなくていい」と切り捨てるのも違う。公的機関などが公表している数字をそのままお見せして、判断していただく。電磁波についても、食べものについても、やることは同じです。

この記事でご紹介した数値は、すべて出典をつけてあります。ご自身で原典にあたっていただけるようにするのが、いちばん誠実な形だと考えました。

よくある質問

Q. 電磁波は体に悪いのですか。

A. 国際的な指針値を下回る強さの電磁波について、健康への悪影響は確立していません。環境省の資料は、WHOの見解として、これまでのレビューは、参考レベル(指針値)よりも低いばく露は健康への悪影響を何ら生じない、ということを示している、と説明しています。ただし、より良い健康リスク評価の前に埋める必要がある知識のギャップが依然としてあり、「絶対に安全だと証明された」わけではありません。研究は現在も続いています。(出典:環境省「身のまわりの電磁界について」)

Q. IARCが「発がん性の可能性」に分類したと聞きました。危険ではないのですか。

A. IARCは超低周波磁界(2001年)と高周波電磁界(2011年)をグループ2Bに分類しています。ただし農林水産省が説明しているとおり、この分類は「証拠の強さ」を示すもので、「リスクの大きさを示すものではありません」。同じグループ2Bにはアスパルテーム、漬けもの、鉛、わらびなども含まれ、リスクの大きさは物質や暴露の程度によって異なります。(出典:農林水産省「国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について」)

Q. 電界と磁界は、どう違うのですか。

A. 電界は電圧がかかっていれば発生し、磁界は電流が流れると発生します。つまりコンセントに挿しただけで電界は出ており、スイッチを入れると磁界が加わります。また電界は壁や樹木でさえぎられやすいのに対し、磁界はふつうの建材ではさえぎりにくいという違いがあります。「電磁波カット」をうたう製品は、どちらを下げるものかを確認してください。

Q. 家電の中で、いちばん電磁波が強いのは何ですか。

A. 電磁界情報センターの測定結果(環境省の資料に掲載)では、国際的な指針値に対する割合で、電動歯ブラシが最大19%(0cm)、IH炊飯器16%(30cm)、IH調理器10%(30cm)、電気カーペット6%(0cm)、電気毛布・温水洗浄便座が各2%(0cm)、ヘアドライヤー1%(10cm)でした。いずれも指針値を下回っています。(出典:環境省「身のまわりの電磁界について」)

Q. 電子レンジは使っても大丈夫ですか。

A. 電子レンジの漏えい電波は、電波法と電気用品安全法にもとづき、本体外面から5cmの位置で、ドアを閉めたとき1mW/cm²以下と定められています。市販品はこの基準を満たしています。なお基準が「5cm離れた位置」で定められていることからも、加熱中に扉へ顔を近づける必要はありません。(出典:電磁界情報センター「電子レンジから発生する電磁界」)

Q. 手軽にできる対策はありますか。

A. 費用がかからず、すぐにできる方法は「離れること」です。電界も磁界も、発生源から距離が離れると急速に弱まります。加えて、体に密着した状態で長時間使うもの(電気毛布・ホットカーペットなど)は、使う時間を見直すか、磁界の発生を抑えた製品を選ぶという方法があります。

出典一覧

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※本記事は、公的機関や専門機関が公表している情報を整理した一般的な解説であり、特定の製品の効果・効能を保証するものではありません。記載した数値・見解は、上記出典の公表内容にもとづき、環境省の資料は令和5年3月時点のものです。電磁波の健康影響については現在も研究が続いており、見解が更新される可能性があります。最新の内容は各機関の公表をご確認ください。体調に不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

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