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秋の味覚サンマは、なぜ獲れなくなったのか 水温が変えた、その届く道すじ

COLUMN / たべものの話

秋の味覚サンマは、なぜ獲れなくなったのか
水温が変えた、その届く道すじ

かつては大衆魚の代名詞。いま、その値段と大きさが語ること。

秋になると恋しくなるサンマですが、ここ数年は「小さくなった」「値段が上がった」と感じる方も多いのではないでしょうか。実はこの変化、単なる不漁の年まわりではなく、海の環境そのものが変わったことが背景にあります。水産庁や水産研究・教育機構の資料をもとに、サンマに何が起きているのかをご紹介します。

サンマはかつて、庶民の食卓を支える安価な大衆魚の代表格でした。ところがこの十数年で、その水揚げ量は大きく姿を変えています。今日は、統計データから見えてくる変化と、その理由を一緒にたどってみましょう。

1数字で見る、サンマ漁獲量の変化

全国さんま棒受網漁業協同組合の統計によると、日本のサンマ水揚量が最も多かったのは2008年の34万3,225トンでした。ところがその後は減少が続き、2021年には過去最低の1万8,291トンにまで落ち込みます。近年はやや持ち直し、2024年は3万8,695トン、2025年は6万4,738トンまで回復しましたが、ピーク時と比べればいまだに5分の1以下の水準です。

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年 日本の水揚量
2008年(ピーク) 343,225t
2019年 40,517t
2021年(最低) 18,291t
2023年 24,433t
2024年 38,695t
2025年 64,738t

出典:全国さんま棒受網漁業協同組合「さんまの水揚量(年)」

2原因は「海水温の上昇」だけではない

農林水産省の説明によると、2010年ごろからサンマの分布が急激に沖合へ移る「分布の沖合化」が起き、その傾向がいまも続いています。背景にあるのは、寒流である親潮の勢力低下と、北海道東部・三陸沖の水温上昇です。サンマが沖合へ移動すると、産卵場や生育場も沖合へ移り、餌となる動物プランクトンの少ない海域で育つことになるため、成長や成熟が妨げられていると考えられています。加えて、日本近海ではイワシ類やサバ類といった他の浮魚類が増えており、サンマが日本近海を回遊しにくくなっている可能性も指摘されています。

3公海での「争奪戦」という側面

サンマの分布が沖合・公海へ移ったことで、もうひとつの変化が起きています。水産研究・教育機構の資源評価によると、世界全体の漁獲量に占める日本の割合は、2001年には70%を超えていましたが、2023年には21.6%にまで低下しました。台湾や中国の漁船が北太平洋の公海域を主な漁場とするようになったことで、日本漁船にとっての競争環境が厳しくなっているのです。同機構は、2022〜2024年の資源量について「持続的に獲り続けられる水準(MSY水準)の34.5%にとどまり、深刻な状態」と評価しています。

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年 世界の漁獲量に占める日本の割合
2001年 70%超
2023年 21.6%

出典:国立研究開発法人水産研究・教育機構「令和6年度国際漁業資源の現況 サンマ 北太平洋」

4それでも、秋の食卓に届く理由

資源量が低い水準にある中でも、サンマが秋の食卓に届き続けているのは、漁業関係者が漁場の変化に合わせて漁を続けてきたからにほかなりません。とはいえ、以前のように「毎日のように安く食べられる魚」ではなくなりつつあるのも事実です。数量が限られている年ほど、獲れたときに、獲れた分だけをありがたくいただく——そんな向き合い方が、これからのサンマとの付き合い方になっていくのかもしれません。

地球人倶楽部でのお取り扱いについて

地球人倶楽部では、契約している生産者や漁業関係者から届く旬の食材を取り扱っております。海の資源には限りがあることも意識しながら、秋の恵みを味わっていただければ幸いです。

よくある質問

Q. サンマの漁獲量は、なぜこんなに減ったのですか?

A. 2010年ごろから分布が沖合へ移る「分布の沖合化」が続いています。親潮の勢力低下や道東・三陸沖の水温上昇が背景にあり、沖合は餌が少なく成長・成熟が妨げられていると考えられています(出典:農林水産省)。

Q. 最近は漁獲量が回復しているのですか?

A. 全国さんま棒受網漁業協同組合の統計では、2021年の18,291トンを底に、2024年は38,695トン、2025年は64,738トンまで回復しました。ただし、ピークだった2008年の343,225トンと比べると、依然として低い水準です(出典:全国さんま棒受網漁業協同組合)。

Q. 日本のサンマ漁獲量が世界に占める割合は変わったのですか?

A. 水産研究・教育機構によると、日本の割合は2001年には70%を超えていましたが、2023年には21.6%まで低下しました。台湾・中国漁船が公海域を主な漁場とするようになったことが背景です(出典:水産研究・教育機構「令和6年度国際漁業資源の現況」)。

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効果効能を保証するものではありません。体調や体質には個人差がありますので、気になる症状がある場合や持病のある方は、医療機関にご相談ください。

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