スーパーの卵コーナーでは、たぶん教えてくれないこと。――平飼い卵を選ぶ前に知っておきたい話
COLUMN / 卵のはなし
卵売り場は、日本でもっとも「情報が少ない」食品コーナーかもしれません。赤い卵、白い卵、「新鮮」「コク旨」……キャッチコピーは並んでいても、実際に割ってみないと分からない違いがあります。今日は、その見分け方の話をします。
1まず、白身の「プルプル感」を見てください
平飼い卵を白いボウルに割り入れると、箸で持ち上げられるほど粘度が高く、プルンとした白身に気づきます。これは白身に含まれるタンパク質の密度が高い状態です。スーパーの卵の白身が水っぽく広がるのと比べると、同じ卵とは思えない違いがあります。
目玉焼き、茶碗蒸し、だし巻き卵——この白身の密度の差が、料理の仕上がりにじわじわと影響します。
2黄身の色は、見分け方としてあてになりません
平飼い卵を割ったとき、多くの方がまず驚くのは黄身の色です。しかし「色が濃い=良い卵」は必ずしも正確ではありません。黄身の色は主に飼料の内容で変わり、パプリカ色素等を加えればケージ飼いでも濃くできます。
平飼い卵と一般的な卵の飼育割合の違いや、価格差の理由についてはこちらのコラムで詳しく整理しています。
3「平飼い」と「放し飼い」は同じではありません
平飼い:鶏舎の中で、地面の上を自由に歩き回れる飼育方法。放し飼い:屋外にも出られる、平飼いよりさらに自由度が高い環境。「平飼い」と書いてあっても、屋外に出られるかは分かりません。生産者の情報まで確認することが大切な理由がここにあります。
4「平飼いだから安全」とは限りません
平飼い卵であることは、安全性の直接的な保証ではありません。地面を歩く鶏は土壌や環境からさまざまなものに触れますし、農薬が使われた飼料を食べていれば、飼育方法にかかわらず卵に影響する可能性があります。
大切なのは、飼育方法と飼料の内容と、生産者の管理姿勢を合わせて確認すること。「平飼い」という言葉だけでなく、「誰が、どんな飼料で、どんな環境管理のもとで育てているか」まで見えることが、本当の意味での安心につながります。
言葉でいくら説明しても、実際に割ってみるのが一番早いです。白いボウルに割り入れて、黄身の高さと白身の広がり方を見てください。箸で白身を持ち上げてみてください。普段使っている卵との違いが、その瞬間に分かります。
その違いを、卵1個で確かめてみてください。