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「無添加」と「オーガニック」の違い、失敗しない選び方

COLUMN / 食のはなし

「無添加」とは何か
「オーガニック」との違いと、失敗しない選び方

似ているようで、意味はまったく違う言葉たち。

スーパーの棚で裏面の原材料欄を眺めて、戸惑ったことはありませんか。「無添加」「自然食品」「オーガニック」「有機野菜」――似ているようで微妙に違うこれらの言葉を、2022年に改定された最新のルールも踏まえて、ひとつずつ整理します。

わたしたちの身体は、毎日いただく食べ物からできています。だからこそ、一口一口を丁寧に選びたい。この記事では、「無添加」という言葉の実態から、表示ルールの変化、選ぶときの実践的なポイントまでをまとめてお伝えします。

1「無添加」とは何か

「無添加」は、食品だけでなく化粧品や洗剤など幅広い商品で見かける言葉ですが、実は「無添加」という言葉そのものを定義した法律はありません。何が「無添加」かは、突き詰めれば表示する側の基準に委ねられている――これが出発点です。

食品でいう無添加食品とは、一般的に食品添加物(保存料・着色料・人工甘味料・増粘剤など)を使用していない食品を指します。ただし「何を添加していないか」は商品ごとに異なり、「保存料は無添加だが着色料は使っている」ということも珍しくありません。

22022年、「無添加」表示のルールが大きく変わった

長年あいまいだった「無添加」表示に、大きな変化がありました。2022年3月、消費者庁が「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を策定し、消費者に誤解を与えかねない表示に、具体的な歯止めがかけられたのです(消費者庁)。

このガイドラインでは、以下のような表示が「不適切となる可能性が高い」類型として挙げられています。

問題になりやすい表示 なぜ問題か
単なる「無添加」の表示 何を添加していないのかが不明確で、消費者が誤認しやすい
同種の製品を比較して優良と誤認させる表示 例:「保存料不使用」を強調し、他の添加物入り製品より安全であるかのように見せる
同一表示内でも安全性を誤認させる表示 例:「無添加」の文字を、安全性を強調するような大きさ・色で目立たせる
健康・安全と無関係な添加物の不使用表示 例:もともと使われないはずの添加物を「不使用」と強調する
同一の意味を持つ用語の不使用を重ねて強調する表示 例:「合成保存料無添加」「防腐剤不使用」など、同じ意味の言葉を並べて印象を強める

このガイドラインには罰則がなく、あくまで「望ましい表示」の指針という位置づけです。とはいえ、大手メーカーを中心に表示の見直しが進んでおり、「無添加」の一語だけが大きく書かれたパッケージは、以前より減ってきています。

3「無添加」表示、よくあるパターン早見表

売り場でよく見る表示ごとに、実際に何を意味しているのかをまとめました。

表示 実際に意味すること
保存料無添加 保存料は使っていないが、着色料や増粘剤は使っている場合がある
合成着色料不使用 天然由来の着色料(クチナシ色素など)は使われていることがある
化学調味料無添加 アミノ酸等(うま味調味料)は不使用でも、酵母エキス等で代用している場合がある
無添加(表示のみ) 何が無添加なのか原材料欄で確認が必要。ガイドライン上、望ましくないとされる表示

原材料欄は使用量が多い順に並ぶため、後半に見慣れないカタカナの物質名が集中していないかを確認することが、パッケージの表示文言に頼らない、いちばん確実な選び方です。

4「自然食品」「オーガニック」との違い

「無添加」が添加物の有無に注目した言葉であるのに対し、「自然食品」「オーガニック」は少し違う軸の言葉です。自然食品は、法律で定義された言葉ではなく、「農薬・化学肥料・食品添加物をできるだけ使わず、自然の力を活かして育てられた・作られた食品」の総称として使われています。明確な認証マークがない分、販売者の哲学やこだわりが色濃く出る言葉でもあります。

一方オーガニック食品(有機食品)は、有機JAS認証を受けた農産物・加工食品に使われる公式な表示です。日本農林規格(JAS法)に基づき、第三者機関が厳格に審査します。化学合成農薬・化学肥料を使用しないこと(転換期間:農地2〜3年以上)、遺伝子組み換え技術を使用しないこと、加工食品なら原材料の95%以上が有機農産物であることなどが主な基準です。有機JASマークがついていない商品に「有機」「オーガニック」と表示することは、法律で禁止されています。

表示 意味 認証
有機野菜 有機JAS基準を満たした農産物 必須
無農薬野菜 農薬不使用(基準・認証なし) なし(自主申告)
特別栽培農産物 地域慣行比50%以上減農薬・減化学肥料 任意認証

「無農薬」「低農薬」は法的な定義がなく、自主申告のため注意が必要です。実態はオーガニック基準を満たしているのに、認証コストや手続きの煩雑さから認証を取得していない農家さんも少なくありません。だからこそ、生産者との信頼関係や背景をきちんと開示している販売者を選ぶことが大切です。

5「無添加」を選ぶときの、3つの実践ポイント

① 表示の文言ではなく、原材料欄そのものを見る

「無添加」の文字よりも、原材料欄に並ぶ品目そのものが情報源です。聞き慣れないカタカナが並んでいないか、後半(=使用量が少ない部分)に添加物が集中していないかを確認します。

② 「何が」無添加なのかを具体的に確認する

「保存料無添加」なのか「着色料無添加」なのか。対象がはっきりしている表示ほど、信頼できる情報である可能性が高いといえます。

③ つくり手・売り手の背景を知る

認証や表示だけに頼らず、誰がどんな考えでつくった食品なのかを知ることも、選ぶときの大切な手がかりです。

添加物ゼロが、絶対善とは限らない

食品添加物のなかには安全性の高いものも多く、食中毒を防いだり、食品ロスを減らすために有益な役割を果たすものもあります。一方で、長期的に多種類の添加物を日常的に摂取し続けることへの影響は、まだ十分にわかっていないとも言われています。自然食品・無添加食品を選ぶことは「全否定」ではなく「優先順位をつけること」。まず毎日食べるもの――お米、調味料、味噌、醤油、油――から見直してみる。そこから少しずつ、自分なりのものさしを作っていけばいいと思います。

1988年から、変わらないこと

1988年、私たちは「本物の食」を届けるために産声を上げました。当時はまだ「オーガニック」という言葉すら一般的ではなかった時代。それでも有機野菜・低農薬野菜を自社便でご家庭に届けることにこだわり続けてきました。「マークが貼ってあるかどうか」よりも、誰がどんな思いでその野菜を育てているか。産地に足を運び、農家さんと直接対話を積み重ねてきたのは、そのためです。

よくある質問

Q. 「無添加」と書かれていれば安心と考えていいですか?

A. 「無添加」は法律で定義された言葉ではないため、何が無添加なのかは商品ごとに異なります。表示だけで判断せず、原材料欄で具体的に何が使われている(いない)かを確認することをおすすめします。

Q. 「無添加」と「オーガニック」はどちらを優先すべきですか?

A. 「無添加」は加工段階の添加物、「オーガニック」は栽培・生産段階の基準という、そもそも軸が異なる言葉です。優劣ではなく、何を重視したいかで選ぶのが実践的です。

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情報源:
・消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(2022年3月策定)
・農林水産省「有機食品の検査認証制度」