骨は、いくつになってもつくり替えられる カルシウムとビタミンDの、食べ方の話
COLUMN / からだのはなし
骨は、いくつになっても
つくり替えられる
骨は、一度できあがったらそのまま、というものではありません。いまこの瞬間も、古い骨は壊され、新しい骨がつくられています。年を重ねてからの食事が骨に効くのは、そのためです。厚生労働省が二〇二五年版としてまとめた「日本人の食事摂取基準」を手がかりに、カルシウムとビタミンD、二つの栄養素の話を整理してみます。
1骨は、毎日つくり替えられている
骨というと、家でいえば柱のような、変わらないものというイメージがあります。けれど実際の骨は、もっと生きものらしいふるまいをしています。
骨の中では、古くなった部分を壊す細胞と、新しくつくる細胞が、たえず入れ替わりの作業をしています。壊しては、つくる。これを骨のつくり替えといい、大人でも一年に数パーセントずつ、骨は入れ替わっていきます。
若いころは、つくる側の勢いが強い。だから骨は太く、密になっていきます。ところが年齢を重ねると、壊す側のペースにつくる側が追いつかなくなる。少しずつ、骨の中身がすかすかになっていく——これが、加齢にともなって骨がもろくなるしくみです。
大事なのは、つくり替えそのものは止まらないということです。八十歳でも九十歳でも、骨は新しくつくられ続けています。つくる材料が足りているかどうかは、そのまま、これからの骨に効いてきます。
2カルシウムは、どのくらい必要か
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(二〇二五年版)」が示すカルシウムの推奨量は、次のとおりです。
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| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 50〜64歳 | 750mg/日 | 650mg/日 |
| 65〜74歳 | 750mg/日 | 650mg/日 |
| 75歳以上 | 750mg/日 | 600mg/日 |
数字だけ見ると多く感じますが、一食あたりに直せば二〇〇mg台です。特別なことをしなくても、組み合わせ方で届く量です。
主な食品にどれくらい含まれているかを、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」から並べてみます。
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| 食品 | 100gあたり | 一食の目安 |
|---|---|---|
| 牛乳 | 110mg | コップ1杯(200ml)で約220mg |
| ヨーグルト(無糖) | 120mg | 小鉢1つ(100g)で約120mg |
| 木綿豆腐 | 約90mg | 半丁(150g)で約140mg |
| 小松菜 | 170mg | おひたし1皿(70g)で約120mg |
| しらす干し | 280mg | 大さじ2(10g)で約28mg |
| ほしひじき(乾) | 1,000mg | 煮物1皿(乾5g)で約50mg |
牛乳やヨーグルトが一皿入るだけで、一日の三分の一が埋まります。そこに豆腐と青菜が加われば、推奨量の輪郭が見えてくる。これを毎日ではなく、一週間のならしで考えるのが、続けるこつです。
3ビタミンDという、相棒の話
カルシウムだけを増やしても、思うようにいかないことがあります。食べたカルシウムを体に取り込むには、ビタミンDが要るからです。腸からの吸収を助け、骨に運ばれるところまでを後押しします。
この栄養素について、二〇二五年版の基準で目立った変更がありました。成人の目安量が、それまでの八・五μgから九・〇μg/日に引き上げられたのです。しかも十八歳以上は、年齢や性別を問わず一律に九・〇μg。高齢期だけの話ではない、という整理になりました。
ビタミンDが多い食品は、意外と限られています。
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| 食品 | 一食の目安 | ビタミンD |
|---|---|---|
| 鮭 | 1切れ(約80g) | 約25μg |
| いわし | 1尾(約60g) | 約19μg |
| きくらげ(乾) | 5g | 約4μg |
| 干ししいたけ | 2枚(約6g) | 約1μg |
| 卵 | 1個(約50g) | 約1.9μg |
魚が一切れ食卓に乗れば、それだけで一日分を超えます。逆にいえば、魚を食べない日が続くと、まとまった量を取りにくい栄養素でもあります。きのこ類を常備しておくと、この穴を埋めやすくなります。
もうひとつ、食事以外の道筋があります。食事摂取基準は、日光を浴びることで皮膚でもビタミンDがつくられる点にふれ、全年齢を通じて、無理のない範囲での適度な日光浴を心がけるよう記しています。買い物や庭仕事のついでに、外の光を浴びる時間があること。それ自体が骨の話につながっています。
4食卓で、できること
献立を組み直す必要はありません。いまある食卓に、二つの栄養素が同じ食事に並ぶ回数を増やす。それだけで十分です。
たとえば、鮭を焼いた日に青菜のおひたしを添える。豆腐の味噌汁に、干ししいたけの戻し汁を使う。ヨーグルトに、いった白ごまをひとつまみ。どれも手間としては数十秒の話ですが、カルシウムとビタミンDが同じ皿の上で出会います。
あわせて覚えておきたいのが、骨は使われることで強くなるということ。歩く、立ち上がる、荷物を持つ——骨に体重がかかると、つくる側の細胞が働きます。食べることと動くことは、骨の上では地続きです。
そしてもうひとつ。たんぱく質が不足していると、カルシウムを運ぶ土台そのものが弱くなります。骨の話は、結局のところ一日三度、まっとうに食べているかという話に戻ってきます。
地球人倶楽部でのお取り扱いについて
地球人倶楽部では、放牧で育てられた牛のミルクや、国産大豆でつくられた豆腐、旬の青菜、天日で干したきのこなど、この記事で挙げた食材を産地からお届けしています。
生産者の顔が見えるものを、必要な分だけ。毎日の食卓に、そのまま並べられる形でご用意しています。
よくある質問
Q. カルシウムは、一日にどのくらい必要ですか。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、65〜74歳で男性750mg・女性650mg、75歳以上で男性750mg・女性600mgが推奨量とされています。一食あたりに直すと200mg台で、牛乳やヨーグルト、豆腐、青菜を組み合わせることで無理なく届く量です。
Q. ビタミンDの目安量が変わったと聞きました。
2025年版で、成人の目安量が8.5μg/日から9.0μg/日に引き上げられました。18歳以上は年齢・性別を問わず一律に9.0μgです。鮭一切れで約25μg、いわし1尾で約19μgと、魚が食卓に乗る日はまとまった量が取れます。
Q. 年を取ってから食事に気をつけても、間に合いますか。
骨は毎日つくり替えられており、その働き自体は高齢になっても止まりません。材料が足りていれば新しい骨はつくられ続けるため、いま整えることに意味があります。あわせて、歩く・立ち上がるといった骨に体重がかかる動きも、つくる側の細胞を働かせます。
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※本記事は食品および栄養に関する一般的な情報をまとめたもので、特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。数値は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」および文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」によります。持病のある方、お薬を服用中の方は、医師・薬剤師にご相談ください。