天然酵母パンと市販パンの違いとは?発酵という時間の価値
天然酵母パンと、市販パンの決定的な差。
発酵という時間が、パンの味を変える理由
毎朝のパンの原材料名を、最後に見たのはいつでしょうか。市販パンに並ぶイーストフードや乳化剤と、酵母と小麦と塩と水だけで作られた天然酵母パン。発酵という時間の力がもたらす味の違いと、素材を知って選ぶことの意味を、やさしく解説します。
毎朝食べるパンの原材料名を、最後に確認したのはいつでしょうか。コンビニやスーパーで手軽に買えるパンのラベルには、小麦粉・砂糖・バターといった基本材料のほかに、イーストフード、乳化剤、酸化防止剤、香料、pH調整剤、ビタミンC——これだけの添加物が並んでいることが珍しくありません。
これらは製造効率を上げ、品質を安定させ、日持ちをよくするために加えられるものです。食品安全上の問題はないとされていますが、本来のパン作りに必要なものではありません。天然酵母と小麦と塩と水だけで作られたパンが存在する以上、毎朝からだに届けるものとして、どちらを選ぶかは問いに値します。
天然酵母とは何か——微生物の多様性が風味を生む
天然酵母とは、果実、穀物、野菜、空気中など自然界に存在する酵母菌を培養したものです。りんご酵母、ぶどう酵母、ホップ酵母、小麦粉から起こしたサワードウスターター——それぞれの素材に由来する酵母は異なる風味の個性を持ちます。
市販のパンに使われる工業的なインスタントイーストは、サッカロミセス・セレビシエという単一の菌株を純粋培養したもので、発酵力が強く均一で予測可能な仕上がりをもたらします。速く、安定的に膨らむため大量生産に適していますが、単一菌株のため風味は単調になりがちです。
天然酵母は複数の酵母菌と乳酸菌が共存しており、この生態系の複雑さが豊かな風味と香りを生みます。発酵に時間がかかる分、小麦のでんぷんと酵素がゆっくりと反応し、糖と旨み成分が引き出されます。噛むほどに広がる複雑な甘みと、やや酸味のある奥深い香りは、天然酵母ならではのものです。
市販パンの添加物——それぞれの役割
市販パンに使われる添加物には、それぞれの用途があります。イーストフードはイーストの発酵を安定させるための窒素源・ミネラル源で、塩化アンモニウム、リン酸カルシウムなどの化合物が含まれます。乳化剤はパン生地の水と油を均一に混ぜ、食感をやわらかく保つために使われます。酸化防止剤(ビタミンCなど)は生地を強化し、体積を増やす目的で添加されます。香料は焼き上がりの香りを補強します。
これらのひとつひとつは安全性が確認されたものですが、添加物なしで作られたパンが選べるなら、それに越したことはない——そのシンプルな判断が、天然酵母パンを選ぶ理由のひとつです。
長時間発酵という、時間がもたらすもの
天然酵母パンの特徴のひとつは、長時間発酵です。小麦に含まれるフィチン酸は、発酵過程でフィターゼという酵素の働きによって分解されることが知られています。フィチン酸はミネラル(鉄・亜鉛・カルシウムなど)と結びつく性質を持つ物質で、この分解に関する研究がさまざまに報告されています。
また、乳酸菌発酵によって生じる有機酸(乳酸・酢酸)が、パンの風味に深みを与えます。サワードウブレッドについては、長時間発酵によるでんぷん構造の変化に着目した研究も報告されており、発酵という営みの奥深さを物語っています。
グルテンと天然酵母パン
近年、小麦との付き合い方への関心が高まっています。長時間発酵の天然酵母パンでは、グルテンが発酵過程で部分的に分解されることが知られており、これに関心を寄せる声もあります。ただし、小麦アレルギーやセリアック病のある方には当てはまらないため、体質に不安のある方は医療機関にご相談ください。
朝の一枚が変わると、一日が変わる
毎朝食べるパンは、一日のエネルギーの出発点です。添加物なしで、発酵という時間の力だけで仕上げられた天然酵母パンが届く朝の食卓は、食材の質が暮らしに作用する小さな実感の積み重ねです。地球人倶楽部が取り扱う天然酵母パンは、発酵という営みを信じた作り手から、誠実に届きます。
シンプルな材料で、時間をかけて作られたパンの一枚。その朝の選択が、日々の食卓を静かに支えていきます。
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CHIKYUJIN CLUB 時間をかけて作られたものを、朝の食卓に。 手間と時間をかけた、作り手の顔が見えるもの。その考え方は、パンに限りません。地球人倶楽部は、そうした食材を37年間ずっと会員の食卓へお届けしてきました。 言葉でお伝えするより、まず一度、食卓で確かめていただくのが一番だと思っています。初めての方に、旬の食材を集めた「おためしセット」をご用意しました。
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監修者:地球人倶楽部 編集部