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千屋牛とは何か 和牛のルーツ「竹の谷蔓」から続く、岡山・新見市の物語

COLUMN / 生産者のはなし

千屋牛とは何か
和牛のルーツ「竹の谷蔓」から続く、岡山・新見市の物語

天保元年、一頭の牛が山あいの集落にやってきたことから、物語は始まった。

「千屋牛」という名前を、耳にしたことはありますか。岡山県新見市千屋地区で育てられる黒毛和牛で、日本の和牛のルーツのひとつとされる「竹の谷蔓」という系統を受け継いでいます。今日は、この牛の歴史と血統、そして地球人倶楽部が扱う理由についてお伝えします。

地球人倶楽部でも、千屋牛を取り扱っています。まずはこの牛そのものの背景について、正しく知ることから始めましょう。

1岡山県新見市千屋——和牛のルーツと呼ばれる土地

千屋牛の産地は、岡山県新見市の千屋地区。中国山地の山あいに位置し、寒暖差のある気候と、稲わらや牧草がとれる農村地帯としての土壌が、古くから牛の飼育に適した土地とされてきました。牛市が各地で開かれるほど、和牛の産地として歴史のある地域でもあります。この土地が「和牛のルーツ」と呼ばれるのには、およそ200年前にさかのぼる、ひとつの物語があります。

2天保元年、一頭の牛から始まった物語

江戸時代後期、千屋村(現在の新見市千屋地区)の豪農・太田辰五郎は、天保の大飢饉に際して自家の米や金を惜しみなく近隣の救済にあてた人物として知られています。殖産にも力を注ぎ、とりわけ畜産に熱心でした。当時の千屋は産牛が少なく資質も劣っていたことを憂い、遠方からも良い牛を買い集めていたと伝えられています。

文政の末(1820年代)、大阪・天王寺の牛市で買い入れられた一頭の牡牛は、体尺4尺4寸(約133cm)もある、黒毛の但馬系の牛でした。辰五郎は、隣接する竹の谷集落(現在の新見市神郷釜村)の難波千代平が育てていた良牛を譲り受け、千屋へ連れ帰り、農家に子を預けて増やしていきました。これが「竹の谷蔓(たけのたにつる)」と呼ばれる系統の始まりです。

3「日本三大蔓」——竹の谷蔓が、現代和牛の礎になった理由

和牛の血統には「蔓(つる)」と呼ばれる優良系統がいくつか存在し、なかでも「竹の谷蔓」「周助蔓」「岩倉蔓」は日本三大蔓と呼ばれています。その中でも、新見市で生まれ育成された竹の谷蔓が、時代としては最も古い系統とされています。

体格がよく足腰が丈夫で、資質・品位に優れ、繁殖能力も高かったことから、竹の谷蔓の血統は全国へ広がり、現在の和牛の礎のひとつになったと言われています。「和牛のルーツ」という呼び方は、この歴史的な経緯に由来しています。

もっとも、竹の谷蔓の血を色濃く受け継ぐ純血の牛そのものは、現在では全国でも数十頭ほどにまで数を減らしており、専門の生産者によって大切に守られている希少な存在です。霜降りの量を追い求める近年の和牛市場の中で、あえてこの系統を残そうとする生産者たちの地道な取り組みがあってこそ、今日まで血統がつながってきました。私たちが「千屋牛」として口にする牛肉は、この歴史ある血統の系譜を受け継ぎながら、同じ新見市という土地で、現代の飼育基準のもとで育てられているものです。

4千屋牛の今——血統・飼育方法・等級基準

現在の千屋牛は、新見市内で繁殖から肥育まで一貫して育てられるか、あるいは岡山県下産の子牛を新見市で18ヶ月以上肥育した、竹の谷蔓の系統を受け継ぐ黒毛和種です。指定された配合飼料に加え、牧草・稲わらを与えて育てられ、遺伝子組換えのない飼料、ポストハーベスト(収穫後農薬処理)のない飼料が使われています。すべての牛は10桁の耳標によって、生産履歴が個体ごとに管理されています。

分類 肉質等級の基準
千屋牛 肉質等級3規格以上
特選千屋牛 肉質等級4規格以上

ほどよい霜降りと赤身のバランスが特徴で、等級によって「千屋牛」と「特選千屋牛」に分類されます。

5地球人倶楽部が千屋牛を選ぶ理由

地球人倶楽部では、産地や生産者の背景がわかる食材を選ぶことを大切にしています。千屋牛は、200年近い歴史の中で受け継がれてきた血統と、個体ごとに管理された生産履歴という、生産背景がはっきりとした牛です。「なぜこの牛なのか」を説明できる食材として、自信を持ってお届けしています。

値段の安さや、見た目の華やかさだけでは測れない価値が、食材にはあります。千屋牛のように、土地と血統と、それを守り続けてきた人の時間が積み重なった一皿は、選ぶ理由をきちんと語れる一皿でもあります。私たちが目指しているのは、そうした「理由のある食卓」を、少しずつ増やしていくことです。

地球人倶楽部でのお取り扱いについて

地球人倶楽部のオンラインストアでは、しゃぶしゃぶ用・すき焼き用・ステーキ用・焼肉用など、19種類の千屋牛商品をお取り扱いしています。一部をご紹介します。

商品名 内容量 価格(税込)
しゃぶしゃぶ用(もも) 150g ¥2,045
特選赤身すき焼き用 150g ¥1,950
特選サーロインステーキ 200g ¥5,350
焼肉3種セット 計360g ¥5,491

すべて冷凍でのお届けです。千屋牛の商品一覧はこちらからご覧いただけます。

よくある質問

Q. 千屋牛と、一般的な黒毛和牛はどう違うのですか?

A. 黒毛和種であることは共通していますが、千屋牛は「竹の谷蔓」という、日本最古とされる系統を受け継いでいる点と、新見市内での飼育・生産履歴の個体管理が徹底されている点が特徴です。

Q. 「特選千屋牛」との違いは何ですか?

A. 肉質等級による分類の違いです。等級3規格以上が「千屋牛」、4規格以上がより上位の「特選千屋牛」となります。

Q. 配送方法を教えてください。

A. すべて冷凍でのお届けとなります。

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※本記事は、千屋牛という食材の歴史・血統・生産背景を紹介するものであり、特定の健康効果を標榜するものではありません。