野菜の定期便・サブスクを申し込む前に確認すること|最終確認画面と解約条件の見方
COLUMN / 食のはなし
野菜の定期便・サブスクを申し込む前に確認すること
最終確認画面と解約条件の見方
1先に結論
野菜の定期便・サブスクをインターネットで申し込むときは、特定商取引法の「通信販売」のルールが関わります。事業者は、注文を確定する最終確認画面に、分量・販売価格(送料を含む)・支払時期と方法・引渡時期・申込みの期間・撤回または解除に関する事項の6つを表示しなければなりません(特定商取引法第12条の6)。
定期購入では、各回の代金と総額、解約の期限、違約金などの内容も明確に表示する取扱いです(消費者庁のガイドライン)。一方で、通信販売には法律上のクーリング・オフ制度がなく、返品は事業者が表示した特約に従うことになります(消費者庁・国民生活センター)。
2野菜の定期便・サブスクは、どんな契約か
消費者庁のガイドラインは、販売業者が購入者に商品を定期的に継続して引き渡し、購入者が代金を支払う契約を「定期購入契約」としています。決まった料金を定期的に支払って契約期間内に商品や役務を利用できる契約は「サブスクリプション」と説明されています。無償や割引の期間のあとに通常価格へ自動で移る場合は、移る時期と金額を、あらかじめ表示します。
3最終確認画面に表示される項目
最終確認画面とは、申込みのボタンなどを押すと契約の申込みが完了する画面のことです(消費者庁のガイドライン)。特定商取引法の第12条の6は、この画面の表示事項と、誤認させる表示の禁止を定めています。この規定は令和3年の改正で新設され、令和4年(2022年)6月1日に施行されました。施行後は、誤認させる表示で申し込んだ消費者は契約を取り消せる可能性があるとされています(消費者庁)。
| 表示される項目 | 定期購入・サブスクで確認すること(ガイドラインの記載) |
|---|---|
| 分量 | 各回の数量と引渡しの回数。解約を申し出るまで続く契約や自動更新の契約は、その旨 |
| 販売価格(送料を含む) | 各回の代金と総額。初回と2回目以降で代金が違うときは2回目以降も。送料は実際に支払う金額 |
| 支払時期・方法 | 各回の支払時期 |
| 引渡時期 | 各回の引渡時期 |
| 申込みの期間 | 期間限定販売のように、期間を過ぎると購入できなくなるときの、その旨と具体的な期間(個数限定や価格だけの期間限定は含まない)。「今だけ」では、表示したことにならない |
| 撤回・解除に関する事項 | 解約の申出に期限があるときはその期限。解約時に違約金などの不利益が生じるときはその旨と内容 |
解約の方法を特定の手段に限る場合(電話のうえでさらにメッセージアプリの操作が必要、受付時間帯の限定など)は、リンク先に任せず最終確認画面にも明確に表示する必要がある、とされています。
4返品と、クーリング・オフの有無
消費者庁の「通信販売広告Q&A」は、通信販売には訪問販売などで認められているクーリング・オフの規定はない、と説明しています。国民生活センターも、返品の可否や条件についての特約があればそれに従う、と案内しています。
特約がない場合は、特定商取引法第15条の3により、商品の引渡しを受けた日から数えて8日以内であれば、消費者が送料を負担して返品できます。インターネット通販では、広告に明記し、最終確認画面でも明記した特約があれば、特約に従います(消費者庁のQ&A)。
5定期購入の相談は、どのくらい寄せられているか
国民生活センターが2026年8月5日に公表した「2025年度 全国の消費生活相談の状況」の表6(販売方法・手口別の相談件数)では、「定期購入」は98,455件で、2024年度は94,559件でした。対象は、2026年5月末までにPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された相談です。
この件数には注意が要ります。1件に複数の手口があれば各々に数え、販売購入形態が通信販売以外のものも含みます。用語解説では、「定期購入」は同じ商品の継続購入が条件の販売方法で、定期購入であることが問題になっているもの、とされ、契約の総数ではなく相談された件数です。表12では、主な商品は化粧品(55.7%)と健康食品(29.2%)でした。
6野菜の定期便で、申し込む前に見ておきたい項目
次の点も申込み前に見ておくと、行き違いを減らせます。スキップ(ある回だけ受け取りを見送ること)の扱いは、事業者の規約で確かめます。右の列は、6つの表示事項にあたるかどうかです。
| 確認項目 | 見る場所 | 6つの表示事項との関係 |
|---|---|---|
| 解約の条件・期限・違約金 | 最終確認画面、規約 | 期限や違約金があるときは表示事項(撤回・解除に関する事項) |
| 休止・スキップの可否と、その連絡の期限 | 規約、マイページの案内 | 6つの事項には含まれない。事業者の規約で確認 |
| 次回の発送日・各回の引渡時期 | 最終確認画面、注文確認メール | 各回の引渡時期は表示事項 |
| 内容の変更ができる締切日 | 規約、マイページの案内 | 6つの事項には含まれない。事業者の規約で確認 |
| 野菜の中身(おまかせか、選べるか) | 商品ページ | 数量・回数は表示事項(分量)。中身の選び方は含まれない |
| 送料と、請求の時期 | 最終確認画面 | 送料を含む販売価格と支払時期は表示事項 |
| 季節による品目・量の変わり方 | 商品ページ、問い合わせ | 6つの事項には含まれない。事業者の説明で確認 |
国民生活センターの見守り新鮮情報(第504号、2025年2月6日)は、解約の方法が電話だけの場合やアプリでの手続きを指定される場合があるため、その方法を自分で行えるかを事前に確かめるよう助言しています。弁当・総菜の定期コースについても、購入回数と変更・解約の条件の確認を勧めています(2024年11月6日公表。野菜の資料ではありません)。
野菜の栽培方法の表示(有機JAS・特別栽培など)の見方は、有機栽培・特別栽培・無農薬・低農薬の違いとは?野菜の表示をやさしく解説で整理しています。宅配サービス全般の選び方は、オーガニック宅配とは?野菜だけじゃない選び方・始め方をご覧ください。
7申込みの記録を残す
消費者庁と国民生活センターは、最終確認画面のスクリーンショットを残すよう勧めています。表示に誤認があって申込みを取り消せる場合の証拠になるためです。困ったときは、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターなどを案内してもらえます。
8公的資料で確認できなかったこと
消費者庁・国民生活センター・農林水産省の資料を探しましたが、野菜や生鮮食品の定期便に限った相談件数、返品の個別の取扱い、休止・スキップの定め、続く人と続かない人を分ける要因の統計は、確認できませんでした。上の内容は、通信販売と定期購入一般についての公的資料に基づいています。
9地球人倶楽部の扱い
地球人倶楽部は、1988年創業の会員制の食材宅配です。東京・神奈川の一部は専属スタッフの自社便、そのほかはヤマト運輸でお届けします。季節の野菜と果物、肉、魚、卵、牛乳、米、調味料、手造りのデリカから日用品まで常時2,000品目以上を扱い、豆腐は半丁、牛乳は200ml、お刺身は1人前から注文できます。返品・キャンセル、お支払い方法、送料などの表示は、特定商取引法に基づく表示でご確認いただけます。
よくある質問
Q. 最終確認画面では、何を確認すればよいですか。
分量(回数や総量)、各回の代金と総額、支払時期、引渡時期、申込みの期間、解約や返品に関する事項の6つです。定期購入では、2回目以降の代金と解約の期限・違約金が特に大切です(消費者庁)。
Q. 「定期縛りなし」と書いてあれば、1回で終わりますか。
1回で終わるとは限りません。国民生活センター(2026年4月28日公表)は、「定期縛りなし」は最低購入回数の指定がない契約(いつでも解約できる定期購入)の可能性があり、解約しない限り商品が届き続けることがある、と説明しています。最終確認画面で、定期購入が条件か、2回目以降の代金、解約の条件を確かめてください。
Q. 届いた野菜が合わなかったとき、クーリング・オフはできますか。
通信販売には、クーリング・オフの規定はありません(消費者庁、国民生活センター)。返品や解約は、事業者が表示した特約・条件に従い、特約がなければ上記の8日以内の定めによります。申込み前に、返品の可否と解約の期限を確かめましょう。
出典
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 通信販売」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/
- 消費者庁「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/pdf/20241119la02_09.pdf
- 消費者庁「通信販売広告Q&A」(Q12) https://www.no-trouble.caa.go.jp/qa/advertising.html
- デジタル庁 e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」(第11条、第12条の6、第15条の3) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057
- 消費者庁「インターネット通販の定期購入トラブルには御注意を!」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/amendment/2021/notice03/
- 消費者庁「令和3年特定商取引法・預託法等改正に係る令和4年6月1日施行に向けた事業者説明会」(令和4年3月) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/amendment/2021/assets/consumer_transaction_cms202_220322_01.pdf
- 消費者庁・政府広報 チラシ「ちょっと待って!!そのネット注文“定期購入”ですよ!」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/specified_commercial_transactions/assets/consumer_transaction_cms202_220209_10.pdf
- 国民生活センター「通信販売はクーリング・オフできません」(子ども・若者サポート情報 第211号、2024年8月1日公表) https://www.kokusen.go.jp/mimamori/kmj_mailmag/kmj-support211.html
- 国民生活センター「購入確定の前には解約方法もよく確認」(見守り新鮮情報 第504号、2025年2月6日公表) https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen504.html
- 国民生活センター「巧妙化する定期購入のトラブルにご注意」(2026年4月28日公表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260428_1.html
- 国民生活センター「2025年度 全国の消費生活相談の状況-PIO-NETより-」(2026年8月5日公表。表1・表6・表12・用語解説) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260805_1.html 、報告書 https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20260805_1.pdf
- 国民生活センター「インターネットで注文する食事宅配に関する消費者トラブル」(2024年11月6日公表) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20241106_2.html
(この記事は2026年10月5日に、内容を全面的に書き直しました)