食文化|Vol.36
KARADA NO HANASHI COLUMN
みりんは、うなぎ屋と蕎麦屋が
みりんは、うなぎ屋と蕎麦屋が
育てた調味料だった
01
みりんは、もともと“飲むお酒”だった
煮物やたれに欠かせないみりん。今では調味料として棚に並んでいるが、その起源をたどると、上流階級が好んで飲んだ甘い“お酒”にたどり着く。
みりんの起源には諸説ある。中国伝来説では、「密淋(みいりん)」という甘い酒が戦国時代に琉球や九州へ伝わり広まったとされる。日本発生説では、古くからあった甘い酒「練酒」「白酒」が腐敗しやすかったため、焼酎を加えて改良したものがみりんになったとされる。いずれにせよ、当初は上層階級が愛飲する貴重な酒だった。
02江戸時代、うなぎ屋と蕎麦屋に育てられた
1760年前後、うなぎ屋や蕎麦屋といった和食の店が大繁盛し、日本料理・懐石料理がほぼ完成された時期と重なるように、みりんは調味料としての役割を確立していく。江戸時代後期の文献『守貞慢稿』には、関東でうなぎのたれや蕎麦つゆに「みりん」が使われていたことが明確に記されている。
甘さと旨みを同時に運べる調味料は、そう多くない。03
飲む酒から、調味料の主役へ
庶民の間にも江戸時代に入って広がっていったみりんは、うなぎのたれ、蕎麦つゆ、煮物やお菓子まで、和食のあらゆる場面で使われるようになった。「飲む酒」から「調味する酒」へ。この転身こそが、みりんという調味料の一番の物語かもしれない。
みりんの歴史を、数字で辿る
戦国時代
甘い酒「密淋」が琉球・九州経由で伝来したとされる時期(中国伝来説)
1760年前後
うなぎ屋・蕎麦屋の繁盛とともに、みりんが調味料として定着した時期
出典:キッコーマン「みりんの歴史〜飲用から調味料へ〜」、九重味淋「本みりんを知る」ほか。
EDITOR'S NOTE
お酒として楽しまれていたものが、和食の名脇役に転身する。みりんの歴史には、日本の食文化がどう育ってきたかが、そのまま映し出されている気がします。
※本ページの内容は、日々の暮らしの工夫と一般的な考え方をご紹介するものであり、特定の効果効能を示すものではありません。
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