暮らし|Vol.29
KARADA NO HANASHI COLUMN
石鹸は、神への捧げものの丘から
石鹸は、神への捧げものの丘から
生まれた
01
石鹸は、神への捧げものから生まれた
毎日何気なく使う石鹸。その名前の由来は、古代ローマのある丘にあるという、意外な言い伝えが残っている。
石鹸は紀元前3000年頃、メソポタミアのシュメール人の粘土板に登場する。動物の肉を焼いた際の脂が灰の中に落ちて固まり、偶然できたものだったとされる。古代ローマ時代には、「サポー(Sapo)」という丘の神殿で羊を焼いて神に供える風習があり、したたり落ちた脂肪が木の灰に混ざって石鹸のようなものができた。英語で石鹸を意味するソープ(soap)は、この丘の名前に由来するといわれている。
02灰から生まれた、日本の洗濯
洗濯の分野でも、灰は主役だった。木やワラ、海草を燃やしてできた灰を水に溶かし、その上澄み「灰汁(あく)」がアルカリ性の性質を活かして汚れを分解する洗剤として使われていた。
03「シャボン」から「石鹸」へ
日本における石鹸の最古の記録は、1596年の伏見地震のお見舞いとして、豪商・神谷宗湛が石田三成に“志やぼん”を贈ったというもの。南蛮貿易によって渡来したこの石鹸は、江戸時代には「シャボン」という呼び名で親しまれていた。「せっけん」という読み方が定着したのは、明治後半になってからだという。
石鹸の歴史を、数字で辿る
紀元前3000年頃
シュメール人の粘土板に石鹸のようなものが記録された時期
1596年
日本に石鹸(志やぼん)が伝わったとされる最古の記録の年
出典:牛乳石鹸「日本に石けんが伝わった頃の話」、語源由来辞典「石鹸」ほか。
EDITOR'S NOTE
神様への捧げものからこぼれ落ちた脂が、めぐりめぐって毎日の暮らしを支える道具になった。そんな偶然の連鎖に、少しロマンを感じます。
※本ページの内容は、日々の暮らしの工夫と一般的な考え方をご紹介するものであり、特定の効果効能を示すものではありません。
※体調に不安がある場合や、症状が続く場合は、医療機関にご相談ください。