レシピ からだのはなし English
食文化|Vol.28 KARADA NO HANASHI COLUMN

ぬか漬けは、江戸の脚気を
救った発酵食だった

ぬか床と野菜のぬか漬け
01

漬物の原型は、古墳時代にあった

台所に置かれたぬか床。その原型となる漬物は、今から2000年以上前の古墳時代からあったとされている。米糠を漬け床として使う習慣がいつ始まったかは定かではないが、少なくとも「沢庵漬け」の考案者とされる沢庵和尚が生まれた1573年には、米糠が漬け床として使われていたと考えられている。

平安時代の法典には「須須保利(すずほり)」という、穀類や大豆の粉末の漬け床に野菜を漬け込んだものの記述があり、これがぬか床・ぬか漬けの元祖と考えられている。

02

江戸時代、脚気を救った

ぬか漬けが庶民に広く定着したのは江戸時代のこと。当時、白米ばかりを食べる食生活からビタミンB1が不足し、「脚気」という病が流行していた。ビタミンB1を豊富に含むぬか漬けは、まさにこの脚気の救世主として、一気に広まっていったという。

台所の片隅の壺が、江戸の人々の健康を静かに支えていた。
03

菌を飼う、という発想

ぬか漬け特有の酸味を生み出しているのは、植物性乳酸菌だ。この菌が腸内の善玉菌を増やしてくれるとされている。ぬか床を毎日かき混ぜるという習慣は、いわば「菌を飼う」という発想そのもの。手間をかけるほど味が育っていくところも、この発酵食の面白さだ。

ぬか漬けの歴史を、数字で辿る

平安時代 ぬか漬けの元祖とされる「須須保利」が法典に記される時代
1573年 沢庵漬けの考案者・沢庵和尚が生まれた年。この頃には米糠が漬け床として定着

出典:rassic「ぬか漬けの歴史と伝統」、日野製薬「ぬか漬けは生きている」ほか。

EDITOR'S NOTE

脚気という病を救った歴史があると知ると、台所の片隅のぬか床を見る目が少し変わります。毎日かき混ぜるという小さな手間も、長い歴史の続きなのかもしれません。

※本ページの内容は、日々の暮らしの工夫と一般的な考え方をご紹介するものであり、特定の効果効能を示すものではありません。

※体調に不安がある場合や、症状が続く場合は、医療機関にご相談ください。

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