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暮らし|Vol.11 KARADA NO HANASHI COLUMN

森の香りは、
木が身を守る術だった

朝もやのかかる杉林
01

森に入ると、深く息を吸いたくなる

森の道を歩いていて、思わず胸いっぱいに息を吸い込んだことはないでしょうか。木々のあいだの空気は、街のそれとは明らかに違います。ひんやりとして、青くて、少しだけ甘い。あの独特の空気をつくっているものの正体は、木々が自分の身を守るために出している物質でした。

02

1928年、ある生物学者が名づけたもの

その物質に名前を与えたのは、旧ソ連の生物学者B・P・トーキン博士です。1928年のことでした。博士はこれを「フィトンチッド」と呼びました。ギリシャ語の「フィトン(植物)」と、ラテン語の「チッド(殺す)」を組み合わせた言葉です。

植物は、動物と違って、危険が迫っても逃げることができません。根を張った場所で、一生をまっとうするしかない。だからこそ、その場に留まったまま自分を守るしくみを備えました。傷つけられたとき、あるいは微生物や虫に近づかれたとき、空気中に成分を放つ。それがフィトンチッドです。森のあの香りは、いわば木々が身を守るために張りめぐらせた、目に見えない防壁なのです。

植物からエキスを抽出する様子
※画像はイメージです。
03

「隠す」のではなく「変える」

暮らしの中のにおい対策には、大きく分けてふたつの考え方があります。ひとつは、強い香りをかぶせて気にならなくする方法。もうひとつは、においのもとになっている物質そのものに働きかけて、別のものに変えてしまう方法です。

前者を「マスキング型」、後者を「中和分解型」と呼びます。マスキング型は即効性がありますが、香りが薄れれば元のにおいが戻ってきます。中和分解型は、においの成分そのものが変化するため、香りが消えたあとに元のにおいが残りません。植物由来の消臭剤のなかには、この後者の考え方に立ってつくられているものがあります。

04

化学薬品を使わずに、植物から取り出す

手間をかけるという選択が、
そのまま中身になる。

植物からフィトンチッドの成分を取り出す方法には、「化学合成」と「非化学合成」があります。化学合成は、原材料が天然のものであっても、分解や合成の工程で化学薬品を使います。そのため、取り出された成分のなかに、その薬品がわずかに残ります。

いっぽう非化学合成は、製造工程で化学薬品をいっさい使いません。そのぶん、多くの時間と手間がかかります。同じ「天然由来」という言葉でも、その裏側にある工程はまったく違う。この違いは、パッケージの表示だけを見ていてはなかなか分かりません。私たちが商品を選ぶとき、いつも気にしているのは、こうした見えない部分です。

05

地球人倶楽部が大切にしていること

地球人倶楽部が扱ってきたのは、主に口に入るものです。けれど、暮らしはそれだけでできてはいません。まな板を拭くもの、ゴミ箱に向けて使うもの、子どもやペットが触れる場所に使うもの。食べものと同じ空間で使うのなら、食べものと同じ目で選びたい——そう考えて、生活雑貨にも同じ基準を当ててきました。

今回ご紹介した「グリーンヘイズ」は、30種類以上の植物から抽出したエキスを原料とし、非化学合成でつくられた植物由来の消臭剤です。製造・発売元は株式会社アグロスラボラトリー、正規代理店は株式会社ザップス。オンラインストアでお取り扱いしています。

EDITOR'S NOTE

今回は、森の香りの正体と、その成分を化学薬品を使わずに取り出すという手仕事をご紹介しました。次回は、その考え方を台所という現場でどう生かすかを取り上げます。「からだのはなし」では、これからも暮らしの中に息づく知恵を、少しずつお届けしていきます。

※本ページの内容は、植物由来成分に関する一般的な知識と製法の考え方をご紹介するものであり、特定の症状の治療・予防・診断を目的とした効果効能を示すものではありません。

※商品の使用方法・使用上の注意は、各商品ページおよび商品本体の表示をご確認ください。

※においの感じ方には個人差があります。

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