祖母の代から伝わる、
卵油という知恵
卵油とは何か
卵油(らんゆ)は、卵黄だけをじっくりと加熱し、時間をかけて油分を引き出してつくる、昔ながらの家庭の手仕事です。特別な道具は使わず、鍋とコンロさえあればつくれるものでありながら、決して手軽な作業とはいえません。根気のいる工程を経て、少しずつ油が取り出されていきます。
卵油がいつ頃から日本の家庭でつくられてきたのか、正確な起源ははっきりとはわかっていませんが、古くから伝わる調理法のひとつとして、祖母から母へ、母から娘へと、口伝えのように受け継がれてきた地域もあるといわれています。台所に残る、手仕事の記憶のようなものかもしれません。
02どうやって作られるのか
つくり方はいたってシンプルです。卵黄だけを取り出し、鍋に入れてじっくりと炒りながら加熱していきます。最初はそぼろ状だった卵黄が、時間をかけるうちに少しずつ黒っぽく変化し、やがて表面に油分がにじみ出てきます。焦がさないよう火加減を見極めながら、根気強く火にかけ続けることで、ようやくひとさじほどの油をすくいとることができます。
卵黄がゆっくりと変化していく過程では、香ばしい香りが台所に漂います。手間と時間のかかる工程そのものが、卵油という食品の個性をつくっていると言えるかもしれません。
手間のかかる仕事ほど、03
記憶に残る。
卵油に含まれる成分
卵油には、レシチン、コリン、不飽和脂肪酸といった成分が含まれています。これらはもともと、卵黄そのものに含まれている成分です。長い時間をかけて加熱し、油分だけを取り出すことで、卵黄の中にあった成分が、そのまま凝縮された形になります。
04地球人倶楽部の平飼い卵と卵油
地球人倶楽部でお届けしている卵は、平飼いで育てられた鶏の卵です。鶏舎の中を自由に動き回れる環境で育った鶏から生まれる卵は、卵黄の色合いや風味にも個体差があり、それもまた自然の恵みだと私たちは考えています。卵油も、そうした平飼い卵の卵黄を使ってつくられています。
05暮らしの中での取り入れ方
卵油は、そのままひとさじすくって、あるいは炊きたてのご飯にのせていただくのが、昔ながらの定番の食べ方です。特別な調理を加える必要はなく、素材そのものの風味をそのまま楽しめるのも、卵油ならではの魅力です。香ばしい香りが、いつもの一皿に少し違った表情を添えてくれます。
今回は、手間のかかる昔ながらの手仕事「卵油」について、その成り立ちと製法をご紹介しました。「からだのはなし」では、これからも暮らしの中に息づく食の知恵を、少しずつお届けしていきます。
※本ページの内容は、卵油という食品の成り立ちと一般的な性質をご紹介するものであり、特定の症状の治療・予防・診断を目的とした効果効能を示すものではありません。
※持病や食事制限のある方は、かかりつけ医にご相談ください。
※風味の感じ方には個人差があります。
平飼い卵の卵黄からつくる、卵油。