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雲海を見おろす鶏舎から届く肉――「神山鶏」という、鶏肉のあり方

スーパーの鶏肉コーナーに並ぶのは、ほとんどが「ブロイラー」と呼ばれる品種です。
効率よく育つように品種改良されたブロイラーは、孵化からおよそ45日で出荷体重に達します。わずか一ヶ月半。その間、密集した鶏舎で飼育される環境は病気が広がりやすいため、抗生物質が広く使われてきました。厚生労働省の研究班が2015〜2017年度に実施した調査によると、国内3カ所の食肉検査所で集めた国産鶏肉の59%から薬剤耐性菌が検出されているというデータがあります。輸入品の34%と比べても、この数字は高い。
「国産だから安心」という感覚は、鶏肉に限っては見直す必要があるかもしれません。
そうした現実の対極にある鶏肉があります。徳島県・吉野川流域の山あいで育つ「神山鶏」です。

「天空の鶏舎」という場所
神山鶏の住まいは、人里よりもはるか上。澄んだ風が吹き、豊かな水が湧き、時には雲海を見おろす鶏舎で、純真無垢に育ちました。
これは宣伝文句ではなく、文字通りの話です。徳島県吉野川市美郷の山道をくねくねと登り、それ以上に山の木々しかない場所に、神山鶏の鶏舎はあります。実際に訪れた人が「天空の鶏舎」と表現するほど、人里から隔絶された高地です。
標高が高い山間部に鶏舎を構えることには、実用的な理由があります。都市から離れた清浄な空気と湧き水は、抗生物質なしで鶏を健康に育てるための環境条件として重要です。病原菌の侵入リスクが低く、自然の通気で鶏舎を清潔に保ちやすい。場所選びそのものが、飼育哲学の表れです。

抗生物質を使わないために、何をするか
抗生物質・抗菌剤を飼料に使用することで、抗生物質が効かないスーパー耐性菌が出現するリスクがあります。また、抗菌剤を使用することで、食品に抗菌剤が残留するリスクがあります。また、抗生物質・抗菌剤などの残留のない糞便を土壌に還すことは、環境保全の面でも重要です。
神山鶏を育てる株式会社イシイフーズは、この問題に正面から向き合い、独自の解決策を開発しました。「イシイミックス」と呼ばれる特製の混合飼料です。
枯草菌(納豆菌等)・乳酸菌・すだちパウダー・緑茶粉末・キトサンなどをブレンドした混合飼料(イシイミックス)を与えているから、腸内の善玉菌が増え、免疫力がアップ。全飼育期間にわたり、抗生物質・抗菌剤不使用を実現しています。
納豆菌、乳酸菌、すだち、緑茶、キトサン——徳島の食文化と自然素材が、鶏の免疫を内側から整えます。薬で病気を治すのではなく、病気にならない体をつくる。この発想の転換が、神山鶏の核心にあります。

飼料の「素性」にまでこだわる理由
神山鶏の飼料へのこだわりは、抗生物質不使用だけにとどまりません。
神山鶏の飼料は、植物性たんぱく原料のみを使用しています。動物性たんぱく再生飼料を一切使用していません。もちろん、魚粉は含まれていません。トウモロコシは飼料メーカーが分別生産管理を保証する遺伝子組み換えなし(NON-GMO)、収穫後農薬なし(PHF)のものを、大豆かすは遺伝子組み換えなし(NON-GMO)のものを使用しています。
「ポストハーベストフリー(PHF)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。収穫後の農産物に、輸送中の防腐・防カビ目的で農薬を使用しないということです。輸入穀物の多くは収穫後に農薬処理が行われますが、神山鶏の飼料トウモロコシはそれをしていない。鶏が食べるものの「さらに前段階」まで管理されているのです。
植物性飼料のみで育てることには、味の面でも理由があります。一般的なブロイラーの飼料と比べると、色も香りも違い、神山鶏の飼料からは香ばしい穀物の香りがします。ですから、神山鶏は、ブロイラー特有のにおいが少なく、コクと旨みを感じる美味しい鶏肉となっています。
鶏肉特有の「臭み」が気になって鶏料理を遠ざけていた方が、神山鶏に出合って「鶏肉の概念が変わった」と言うのは、このためです。

メスだけ、小さな群れで、60〜80日かけて
神山鶏の飼育で特徴的なのは、育て方の細部にあります。
小さい群でメス鶏だけを平飼い。オスを混在させないことで群れのストレスを下げ、広い鶏舎でのびのびと体を動かしながら育ちます。
そして出荷までの日数。一般的なブロイラーの肥育日数約45日に対し、神山鶏の肥育日数は約60日です。品種や管理方法によっては80日に達することもあります。約1.5倍の時間をかけて育てるということは、それだけエサ代・設備費・人件費がかかるということ。価格に差が出るのは当然ですが、その差は「手間と哲学のコスト」です。

鶏ふんが、野菜の肥料になる
神山鶏の話でもうひとつ見逃せないのが、廃棄物の扱い方です。
神山鶏の鶏ふんは高性能堆肥として有機野菜やお米作りに利用されています。
抗生物質・抗菌剤を一切使っていないからこそ、鶏ふんがそのまま土に還せます。残留薬剤のない堆肥は、土壌の微生物を傷つけません。鶏が食べた植物性の飼料が、ふんになり、堆肥になり、野菜やお米を育て、また人の食卓に戻ってくる。
2013年には堆肥化処理施設(コンポスト)が完成し、循環型農業(飼料米)の取り組みを強化。飼料米を育てる農家に堆肥を供給し、収穫された飼料米を鶏に与える——まさに農業と養鶏が輪を描いている。
神山鶏を選ぶことは、この循環を支えることでもあります。

鶏肉を選ぶとき、何を見るか
スーパーの鶏肉コーナーには、値段と産地しか書いていないことが多い。でも、本当は問うべき項目がいくつかあります。

抗生物質・抗菌剤は使われているか
飼料は植物性のみか、動物性たんぱくや魚粉は含まれるか
遺伝子組み換えトウモロコシを使っていないか
平飼いか、ケージ飼いか
出荷まで何日かけて育てているか

神山鶏は、これらすべての問いに対して、消費者が安心できる答えを持っています。

地球人倶楽部と神山鶏
地球人倶楽部が神山鶏を取り扱う理由は、数字だけではありません。「食べる人の健康が第一」という生産者の姿勢が、私たちの創業以来の考え方と重なるからです。
産地・生産者・飼料・飼育環境・廃棄物の活用まで、隅々まで説明できる食材だけをお届けしたい。神山鶏はその基準を満たす、数少ない鶏肉のひとつです。
もも肉・むね肉・ささみ・手羽元・手羽先・砂肝・肝臓・骨付きもも・肉だんごまで、各部位を地球人倶楽部オンラインストア(chikyu-jin.club)でお選びいただけます。
はじめて神山鶏を試してみたい方は、旬の有機食材とともにお届けするおためしパック(通常価格の50%OFF)もぜひご利用ください。
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参考:株式会社イシイフーズ公式サイト、厚生労働省研究班(群馬大学)鶏肉薬剤耐性菌調査(2015〜2017年度)、農林水産省 全国地鶏銘柄鳥ガイド

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