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魚を食べることの、現代的な意味。 DHA・EPAと天然魚が、からだとこころに届けるもの

魚を食べることの、現代的な意味。
DHA・EPAと天然魚が、からだとこころに届けるもの

農林水産省の食料需給表によれば、日本人一人当たりの魚介類消費量はピーク時の2001年から約30%減少しており、2011年以降は肉類の消費量が魚介類を上回り続けています。忙しい現代生活の中で、魚を調理することの手間、骨の処理、においの問題——さまざまな理由で魚食が遠のいていきます。しかしその一方で、栄養学・神経科学・循環器医学の分野では、魚を食べることの健康への寄与が次々と明らかになっています。

魚を食べることの意味を、現代科学の知見から改めて見直すとき、その重要性は手間の問題をはるかに超えています。

DHA・EPAとは何か——からだが作れない、必須の脂肪酸

青魚に豊富なDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、オメガ3系多価不飽和脂肪酸に分類される必須脂肪酸です。「必須」とは、からだが自ら合成できないため、食事から摂取しなければならないという意味です。植物由来のα-リノレン酸(亜麻仁油・えごま油に含まれる)からDHA・EPAへの変換は体内で可能ですが、変換効率が極めて低いため、魚から直接摂取することが最も効率的な方法とされています。

特にDHAは脳の神経細胞膜の主要構成成分で、脳の乾燥重量の約20%を占めます。神経細胞膜の柔軟性を保つDHAは、神経伝達の効率、記憶・学習能力、そして認知機能の維持に深く関わっています。EPAは血液の流動性を高め、血小板の凝集を抑制し、炎症性サイトカインの産生を抑える作用が複数の臨床研究で確認されています。

心臓と血管を守る——EPAの臨床的な根拠

EPAの心血管系への作用は、特によく研究されています。日本で行われた大規模臨床試験「JELIS試験」では、高コレステロール血症の患者に対してEPAを投与した群で、主要冠動脈疾患(心筋梗塞・不安定狭心症など)の発症リスクが約19%低下したという結果が報告されました。この試験結果を受けて、EPAを主成分とする医薬品が日本で承認されています。日本心臓財団、欧州心臓病学会をはじめとする国際的な医療機関が、心疾患リスク低減の観点から週2回以上の魚食を推奨しているのも、こうした根拠に基づいています。

脳とこころへの影響——DHAが精神的健康に関わる理由

DHAの不足が認知機能や精神的健康に影響するという研究は、近年急速に蓄積されています。魚食の頻度と抑うつ症状の低下に相関があることを示す疫学研究が複数報告されており、日本においても国立がん研究センターなどが魚食と精神的健康の関係を調査しています。脳の神経細胞膜のDHA含有量が低下すると、神経伝達物質(セロトニン・ドーパミンなど)の受容体機能が低下するとも考えられており、現代人のこころの健康において魚食の意義は看過できません。

子どもの発達においてもDHAは重要です。妊娠・授乳期の母親のDHA摂取は胎児・乳児の脳神経発達に直接影響するとされており、この時期の適切な魚食は次世代の健康への投資でもあります。

天然魚を選ぶことの、栄養的・安全上の意味

天然魚と養殖魚のどちらが優れているかは一概に言えませんが、食品の安全性という観点では確認すべき点があります。養殖魚は安定供給と品質管理に優れる一方、過密な養殖環境での感染症予防を目的とした抗生物質や、海藻・小魚から合成したもの以外の飼料の使用が問題になることがあります。天然魚は自然の海域で多様な生物を食べて育つため、飼料由来の問題はありませんが、産地の海洋汚染状況が品質に影響します。

また生物濃縮の問題——食物連鎖の上位にいる大型魚ほどメチル水銀が蓄積しやすい——も知っておく必要があります。まぐろ・かじき・深海魚などは妊娠中の方に摂取量の目安が設けられています。いわし・さば・あじ・さんまなど食物連鎖の比較的下位にいる青魚は、生物濃縮のリスクが低く、DHA・EPAが豊富で、日常的に食べるうえで最適な選択肢です。

サプリメントより食事から摂ることの本質的な意味

DHAとEPAはサプリメントでも摂取できますが、食事から摂ることには質的な違いがあります。魚には良質なタンパク質、ビタミンD(日本人に不足しがちな栄養素のひとつ)、ビタミンB12、亜鉛、セレン、ヨウ素など、DHA・EPA以外の多くの栄養素が含まれています。これらが食事という文脈の中で同時に摂取されることで、消化・吸収・代謝の相乗効果が生まれます。魚を一尾食べるという行為は、複数の栄養素をまとめて、バランスよく届ける最も自然な方法です。

週に2〜3回の魚食が、からだとこころの底力をつくる

世界各国の食事ガイドラインでは、週2回以上の魚食が推奨されています。特にDHA・EPAが豊富な青魚を週に2〜3回食卓に取り入れることは、心臓・脳・血管・こころの健康を長期にわたって支える食習慣の基盤になります。地球人倶楽部が取り扱う海産物は、汚染の少ない海域で育ち、適切に処理された質の高いものを選定しています。毎週届く一箱の中に、天然の海産物が並ぶとき——それは清らかな海からの、からだへの贈りものです。

東京という都市で暮らしながら、信頼できる産地の天然魚を毎週の食卓に。その選択が、30年後のからだとこころを、いまの食卓から静かに支えています。

監修者:地球人倶楽部 編集部

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