魚を食べることの、現代的な意味。 DHA・EPAと天然魚が、からだとこころに届けるもの
農林水産省の食料需給表によれば、日本人一人当たりの魚介類消費量はピーク時の2001年から約30%減少しており、2011年以降は肉類の消費量が魚介類を上回り続けています。忙しい現代生活の中で、魚を調理することの手間、骨の処理、においの問題——さまざまな理由で魚食が遠のいていきます。しかしその一方で、魚は日本の食卓を長く支えてきた、栄養面でも大切な食材です。
魚を食べることの意味を改めて見直すとき、その価値は手間の問題をはるかに超えています。
1DHA・EPAとは何か——からだが作れない、必須の脂肪酸
青魚に豊富なDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、オメガ3系多価不飽和脂肪酸に分類される必須脂肪酸です。「必須」とは、からだが自ら合成できないため、食事から摂取しなければならないという意味です。植物由来のα-リノレン酸(亜麻仁油・えごま油に含まれる)からDHA・EPAへの変換は体内で可能ですが、変換効率が極めて低いため、魚から直接摂取することが最も効率的な方法とされています。
DHAは脳や網膜に多く含まれる脂肪酸として、EPAは青魚の脂に多く含まれる脂肪酸として知られています。
2魚食が推奨されている背景
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、DHA・EPAを含むn-3系脂肪酸について1日あたりの目安量が示されており、国内外の食事ガイドラインでも週2回程度の魚食が勧められています※。
3DHAという脂肪酸について
DHAは体内でつくりにくい脂肪酸で、青魚をはじめとする魚介類が主な供給源です。日本人の魚介類消費が減るなかで、魚を食卓に戻すことには、こうした栄養素を日常的に摂るという意味もあります。
妊娠中・授乳中の魚の食べ方については、厚生労働省が魚種ごとの目安を公表しています※。
4天然魚を選ぶことの、栄養的・安全上の意味
天然魚と養殖魚のどちらが優れているかは一概に言えませんが、食品の安全性という観点では確認すべき点があります。養殖魚は安定供給と品質管理に優れる一方、過密な養殖環境での感染症予防を目的とした抗生物質や、海藻・小魚から合成したもの以外の飼料の使用が問題になることがあります。天然魚は自然の海域で多様な生物を食べて育つため、飼料由来の問題はありませんが、産地の海洋汚染状況が品質に影響します。
また生物濃縮の問題——食物連鎖の上位にいる大型魚ほどメチル水銀が蓄積しやすい——も知っておく必要があります。まぐろ・かじき・深海魚などは妊娠中の方に摂取量の目安が設けられています。いわし・さば・あじ・さんまなど食物連鎖の比較的下位にいる青魚は、生物濃縮のリスクが低く、DHA・EPAが豊富で、日常的に食べるうえで選びやすい魚です。
5サプリメントより食事から摂ることの本質的な意味
DHAとEPAはサプリメントでも摂取できますが、食事から摂ることには質的な違いがあります。魚には良質なタンパク質、ビタミンD(日本人に不足しがちな栄養素のひとつ)、ビタミンB12、亜鉛、セレン、ヨウ素など、DHA・EPA以外の多くの栄養素が含まれています。魚を一尾食べるという行為は、複数の栄養素をまとめて、バランスよく摂れる最も自然な方法です。
6週に2〜3回、魚を食卓に
世界各国の食事ガイドラインでは、週2回以上の魚食が推奨されています。DHA・EPAが豊富な青魚を週に2〜3回食卓に取り入れることは、無理なく続けられる食習慣のひとつです。地球人倶楽部が取り扱う海産物は、産地と処理の確かなものを選んでいます。毎週届く一箱の中に、天然の海産物が並ぶとき——それは海からの、食卓への贈りものです。
東京という都市で暮らしながら、信頼できる産地の天然魚を毎週の食卓に。その選択が、これからの毎日の食卓を静かに支えていきます。
※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」/厚生労働省「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」
※本ページの内容は一般的な食生活に関する情報であり、疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。
監修者:地球人倶楽部 編集部