コラム
洗剤が、川と海をつくる。 日用品の選択が、環境と家族の健康に与える影響
洗剤が、川と海をつくる。
食材の選択が環境に与える影響は広く語られますが、洗剤・シャンプー・柔軟剤などの日用品が環境に与える影響については、まだ十分に意識されていません。毎日台所や洗面所から流れる排水は、下水処理施設を経て川へ、そして海へと流れていきます。その水の質は、使った洗剤の成分によって変わります。
合成界面活性剤の環境問題
一般的な合成洗剤の主成分である合成界面活性剤には、水中での分解が遅く河川・海洋に蓄積するものがあります。特に直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)などの陰イオン界面活性剤は、魚など水生生物のえらに影響を与え、呼吸機能を障害するリスクが報告されています。また、アルキルフェノールエトキシレート(APEO)は内分泌かく乱作用(環境ホルモン)が懸念され、EUでは規制が進んでいます。石けん素地を主成分とする無添加石けんや植物由来の界面活性剤は、自然分解性が高く、環境負荷が比較的低いとされています。
肌とバリア機能——毎日の洗浄の影響
合成界面活性剤を多く含む洗剤・シャンプーは洗浄力が高い一方で、皮膚の天然保湿因子(NMF)やセラミドなど、皮膚バリアを構成する重要な成分も同時に洗い流しやすいという側面があります。慢性的な乾燥肌、敏感肌、かゆみが続く方が、無添加石けんや低刺激の洗浄剤に切り替えることで改善を体験するケースは、皮膚科的にも報告されています。特に乳幼児は皮膚が薄く成人より1.5〜2倍の経皮吸収率があるとも言われており、子どもの肌に触れるものには特別な配慮が必要です。
柔軟剤の香りという問題
近年「香害」という言葉が生まれるほど、柔軟剤の人工香料による健康被害が社会問題になっています。人工麝香(ムスク)などの合成香料成分は体内に蓄積しやすく、化学物質過敏症の方には頭痛・めまい・呼吸困難などを引き起こすことがあります。無香料・天然香料のみを使った製品への切り替えは、自分だけでなく周囲への配慮でもあります。
暮らし全体を、環境と自分に誠実に
地球人倶楽部が食材と並んで生活雑貨を取り扱うのは、「安全で環境を汚さない暮らし」という創業以来の理念が、食卓を超えて生活全体に及ぶからです。台所の排水が清らかであることと、食卓の食材が安全であることは、同じ方向を向いています。洗剤というささやかな選択が、家族の肌の健康と地球の海をつなぐ一点になっています。
監修者:地球人倶楽部 編集部