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更年期を、食から整える。 ゆらぎの季節に寄り添う、からだへの手当て

40代の半ば頃から、からだのどこかに「以前とは違う」という感覚を覚えはじめる方は少なくありません。眠りが浅くなった、疲れが翌朝まで残る、気分の波が読めない、ほてりや汗が突然やってくる——そのひとつひとつは、更年期というからだの変化のサインかもしれません。

更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少していく時期です。このホルモンの変化は、自律神経のバランスにも影響し、心とからだの両方にさまざまな不調をもたらします。薬や専門医への相談が必要な場合もありますが、毎日の食事でからだの土台を整えることは、不調を和らげるうえで大きな意味を持ちます。

更年期のからだが必要としているもの
エストロゲンの減少に伴い、骨密度の低下、コレステロール値の変動、皮膚や粘膜の乾燥といった変化が起こりやすくなります。この時期にからだが特に必要とする栄養素として、大豆イソフラボン、カルシウム、マグネシウム、ビタミンD、食物繊維が挙げられます。

大豆イソフラボンは、エストロゲンに似た働きをする植物性化合物です。豆腐、納豆、味噌、豆乳など、日本の伝統的な発酵食品や大豆食品に豊富に含まれています。これらを毎日の食事に取り入れることで、ホルモン変化によるゆらぎをある程度やわらげる効果が研究で示されています。ただし、効果には個人差があり、サプリメントによる過剰摂取は避けることが推奨されています。

野菜からとれる「更年期の味方」
更年期の不調に関わる酸化ストレスを軽減するうえで、抗酸化物質を豊富に含む野菜は重要な役割を果たします。特に注目したいのが、緑黄色野菜に含まれるβカロテン、ビタミンC、ビタミンE、そしてポリフェノール類です。ほうれん草、ブロッコリー、パプリカ、にんじん、かぼちゃ——これらの野菜を積極的に食卓に取り入れることは、更年期のからだを内側から支えることにつながります。

また、根菜類(ごぼう、れんこん、さつまいもなど)に含まれる食物繊維は、腸内環境を整えるとともに、エストロゲン代謝にも関わっています。腸内細菌はエストロゲンの代謝・排泄に関与しており、腸の状態が良好であることが、ホルモンバランスを整えることにもつながるのです。有機栽培の旬野菜は、農薬や化学肥料に頼らず育つため、食物繊維やファイトケミカルが豊富に含まれています。

腸活が、更年期の不調に効く理由
近年の研究では、腸内細菌叢(腸内フローラ)がエストロゲンの代謝に深く関わっていることが明らかになっています。「エストロボロームX」と呼ばれる腸内細菌の集合体が、エストロゲンを活性型に変換し、体内での再利用を助けることがわかっています。腸内環境が乱れると、この機能が低下し、エストロゲンの不足感が強まる可能性があります。

発酵食品(味噌、ぬか漬け、甘酒、ヨーグルトなど)と、食物繊維が豊富な有機野菜を組み合わせることは、腸内フローラを豊かに保ち、更年期症状の緩和にも寄与します。日本の伝統食が更年期の不調に対して比較的穏やかなものになりやすいと言われる背景には、こうした腸と食の関係が一因として考えられています。

食卓から始める、ゆらぎとの付き合い方
更年期は、治すべき「病気」ではなく、からだが次のステージへと移行する自然な過程です。この時期をどう過ごすかは、その後の20〜30年の健康の質にも影響します。だからこそ、薬に頼るかどうかという二択の前に、食事という日々の習慣を整えることが、穏やかで持続的なセルフケアになります。

土の力で育てられた旬の有機野菜、昔ながらの製法で作られた発酵食品、質のよいたんぱく質——そういったものを、むりなく、おいしく食べ続けること。それが、ゆらぎの多いこの季節を、からだの内側から支えてくれます。食卓を丁寧に整えることは、自分自身への、静かな手当てです。

監修者:地球人倶楽部 編集部

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