フランスなの ドイツなの?

2010年3月02日


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バウムクーヘンといえば、

子供の頃、あの年輪のように幾重にも重なった生地を
はがすように食べたり、あえてひとくち大に切って
口の中でほろほろと崩れていく食感をしみじみ味わったり・・・、
と食べ方にこだわった思い出。みなさんもありませんか?

たまごとバターの効いたまろやかな味わい、それがバウムクーヘン・・・。

と思っていたらこれが目からウロコ。

バームクーヘンの原形といわれる、
フランス・ガスコーニュ地方の伝統菓子"ガトー・ピレネー"は
暖炉に菩提樹の薪をくべ、燻すように焼き上げるのだと言います。


現地では、コーンと呼ばれる物干し竿のような棒を暖炉の前に渡し、
生地をかけながらくるりくるりと回して焼き上げる・・・。
なので、喩えれば燻製のようにスモークを纏った味わい。
子供の頃から親しんだ、バウムクーヘンとは似て非なる味わいです。


そういえば、バウムクーヘンは、ドイツ語。
私たちが子供の頃から親しんでいるバウムクーヘンの味わいは、
ドイツマイスターが作り上げた味だったのですね。


さて今回は、フランス菓子を原点とする藤巻シェフが、
ガトー・ピレネーの原点にこだわり、さらにレジオン流のアレンジを加えて仕上げたもの。
レジオン(地域)というフランス語の通り、地元神奈川の全粒粉や国産の米粉を用い、

卵とバターのきいた生地の中に、オレンジのペーストやレモンの果汁、カルダモンなどの

複雑みが加わった仕上がりです。

それぞれの国、その土地土地で育まれた味わいを
年輪に模した生地の重なりとともにお楽しみいただければと思います。

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