地球人倶楽部とのおつきあいは、今から5年前。

愛媛の漁師さんから紹介でした。「とびきりの魚でおいしいイタリアンを作って欲しいんだって」ということで、はじめに作ったのは、ズッパ・ディ・ペッシェ。フランスでいうブイヤベースです。シャコや海老やホウボウやカサゴ…、たくさんの魚介からスープをとって、とても贅沢な味に仕上がった。すると今度は、生パスタを打って欲しい。もちろんパスタの種類別のソースもあったらなお嬉しいと。次から次へと少し難しく、けれど確実に美味しいと直感する提案が宿題のように降ってくる。「会員の皆様はみんな舌の肥えた、美味しいものを食べつくした人ばかり」という、これまた厳しい、料理人としては闘志の沸く言葉を浴びせられ、またまた新作へと頭をひねる。
原 宏治(オーナーシェフ)1957年、千葉生まれ。20歳で料理の世界に入り、フランス料理を学び、その後、25歳でイタリアへ訪学した際の料理に衝撃を受け、イタリア料理に転向。再度イタリアへ渡り、イタリア郷土料理を多くのシェフから学ぶ。帰国後の1990年9月、日本橋浜町「アル・ポンテ」オープン。シェフに就任。日本イタリア料理協会副会長を務める。