今の農業を始めたきっかけを教えてください!

最初に農業とかかわったときは、今の活動とは正反対で、
農薬の研究をしていました。病気を予防するための農薬や、成長を促進するためのもの。スーパーで売られている、形の全て揃った同じ色艶をした野菜を作るための農薬。
その時は、より効率よく農産物を生産していくために必要なものだと思って、研究していましたね。

でも日持ちや形のいいものを安定して出荷することはできても、満足のいくおいしい野菜を作るにはこの方法では駄目だと気が付いたんです。

どのような野菜作りを行っていますか?

それから有機肥料の研究に携わったものの、以前とは勝手が違うから、一度は出荷したものの
「色が悪い」なんて言われて全部捨てる羽目になるなんてこともありましたよ。

有機栽培っていうのは、手間がかかるって言われますけど、余計な手間をかけないのが有機栽培なんですね。種をまく前の
「土作り」をちゃんとしてあげる。自然の栄養をたっぷりと与えてあげて、作物が自身の力で美味しく育っていくための準備を、しっかりとしてあげる。
それから後は、いじりすぎない。加えすぎない。

よく野菜を食べた感想として、甘いとか味が濃いっていうのがあるけど、例えば甘い野菜を作るのなら、与える栄養で調節することは簡単なんです。
本当においしい野菜っていうのは、何も加えないことで生まれる自然の酸味が不可欠。これは土に含まれる窒素が関係しているんだけど、その酸味と甘みの調和があって初めて、おいしい野菜ができるんです。
ほら、トマトなんかでも塩をかけたほうが甘くなるでしょ。
あれと一緒ですよ。
野菜も人間と一緒で、酸味があるほうがいい味になるんです。