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私事で恐縮ですが、私の小さな家に住んでいるネコのココは、雑種ではありますが大型タイプで、その上大変な肥満体、というわけでネコなのかタヌキなのか見分けがつきにくく、間違われたり致します。原因は食べ過ぎによる栄養過剰につきるわけですが、このようにネコに限らず私達人間も含めて、豊かな祉会では、カロリーをとりすぎてしまう傾向にあるようです。 農産物の世界でも同様で、化学肥料の多投による育成は、農産物そのものを栄養過剰状態にさせ、肥満体という言葉は適切ではありませんが、かなりバランスの崩れた状態を作り出してしまうことが多々有ります。 みなさまが日頃よく食していらっしゃるホウレン草の例でお話を申し上げれば、栄養過多の場合の特長の一つに、葉っぱの部分が黒ずんでいるということがあります。 2つ目の特長としましては、葉っぱの部分が全体の姿形の中において、大きいということがあります。たまにスーパーなどで見ておりますと、ホウレン草を選ぶのに葉っぱの大きいほうがお買い得とばかりに選んでおられる方を目に致しますが、これは間違い。 また、3つ目には、茎の部分がやたらに長い、背の高いほうれん草も栄養過剰の症状のひとつです。さらに申し上げれば、食味に苦みのあるもの。そしてこのようなホウレン草は、体が弱い状態ですから生命力も弱く、日持ちしないというような特長がでてきます。
朝早く東の空に太陽が昇りはじめる頃、ホウレン草畑に入ってみると、ホウレン草の緑葉が空に向かって立っている姿を見ることができます。健康に育っているホウレン草だけにみられる現象ですが、これはホウレン草が一生懸命働いている姿なのです。ホウレン草に限らず植物は、昼間空気に含まれる二酸化炭素(以下炭酸ガス)を吸収します。炭酸ガスを吸収する気孔は緑葉の裏についているので、朝寝坊して緑葉を横にしていると葉と葉が重なり合って畑全体が密閉された状態となり、葉の裏側への空気の流れが悪くなってしまいます。空気の流れをよくして、炭酸ガスをたくさん吸収するために、ホウレン草は朝、葉を立てるのです。 不建康なホウレン草の朝は、葉を横にしたままの状態です、むしろ下り放しといったほうが良いくらいです。なぜ、朝寝坊しているのでしょうか…。実は寝坊しているからではなく、栄養過剰で葉が大きく重くなっているため持ち上がらないのです。 植物にとって、炭酸ガスの吸収という大切な仕事とともに、もう1つ土壌の中に浸みこんでいる活性(有機)あるいは、不活性(無機)の物質を吸収して、それらを植物体内で同化して食糧を作るという大切な仕事もあります。水に溶けた様々な肥料を吸収して栄葦素とするわけですから、水分を必要以上に蒸発させることは困るので、葉を横にして土壌の温度の上昇を押さえているのです。 肥料過剰になっていない畑のホウレン草は、自分に必要な栄養素を自分で土壌の中から探さねばなりません。その為、根っこの部分に根毛をしっかりとはりめぐらせ、広い範囲から必要な成分を吸収するわけです。一方、肥料過多の畑のホウレン草は、根毛を発達させて苦労しなくても、常に根もとにたくさんの肥料があるので根っこの部分の水を吸収するだけで充分というわけです。そういう生活スタイルになると、少しでも根っこの水分が不足すると、すぐに元気をなくし、成長が止まり、下手をすると枯れてしまいます。 以上の話の本質は、実はホウレン草の緑葉の働きにあるのではなく、土壌の中にあります。健康な土壌がすべての根本にあります。次回はそのあたりのお話しをして参りたいと思っています。千葉のホウレン草の旬はおわりを告げ、6月半ぼからは芦川村の冷涼な高原ものがはじまります。その折は、ぜひホウレン草の葉っぱをしみじみ眺めて、判定してみてください。 |